脚本家が上手いと感じる作品だった。
演劇の作品を完成させるには、脚本家、演出家、役者の3つの能力によって構成されると思うが、今回の作品は脚本家の力が突出し、他の2つが弱いのではと感じる内容だった。
セリフの内容が伝わってこない。終盤は分かり易い内容とゆっくりしたペースで話していたから聴こえたけど、序盤の掴みの部分ではそれがなく、引きつけられなかった。
笑いのとり方も、作品の時代設定が江戸であったことからの笑いのとり方が多く、浅かったと思う。
恐らく原作ではないエピソードが入っているように感じた。それは、そのエピソードだけ内容が薄く感じたからだ。でなかったなら役者の問題か。
全体的に薄い世界観だった。
ここに間があればもっと空気が変わるのにとか、もっとしっかり対象のモノを見たらセリフが伝わってくるのにと思う役者が多かった風に思う。
「世間の動きにチクリと滑稽の針を突き立てて撓みがあればそれを正す、歪みがあればそれを笑いのうちに直す、これが黄表紙(戯作)の生命ではないか。」という言葉が今回の作品のテーマであり、観客に感じてもらいたい事だったと思うが、言葉が空気中に漂っている感じがした。