LIVEメモ(プラハ放送交響楽団 2024年7月6日 ザ・シンフォニーホール) | IN THE WIND

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今年はスメタナ生誕200年、ドヴォルザーク没後120年を記念する「チェコ音楽年」らしい。そんな年にチェコで三大オケの一つに数えられるプラハ放送交響楽団の演奏で、これ以上わかりやすいプログラムはないというチェコの名曲を存分に楽しめた。シルキーで清澄な弦の響き、色彩感豊かで明瞭な管の響きに息をのみ、テンポのよいところでは前のめりになってしまったほど。時間と懐具合が許せば14日まで続くツアーのどこかでもう1回聴きたいぐらいの演奏だった。


指揮者は1986年生まれでまだ30代だけど、首席指揮者として3シーズンを経ただけにオケを完全に手の内に入れたよう。体全体を大きく動かし、表情も豊かでとってもエネルギッシュな指揮ぶりだった。今シーズンからウィーン交響楽団の首席指揮者も兼任するらしい。


座席は例によってパイプオルガン下の最前列、管楽器陣の真後ろだったけれど、トランペットの首席奏者がすごかった。まさに一点の曇りもない明確で引き締まった音色で、強弱のメリハリもよく鮮やかだった。クラリネットも軽やかで歌うような演奏だった。


ソリストは2019年ミュンヘン音楽コンクール優勝という新進気鋭。芯のある音色は美しく、力強さも繊細さも兼ね備えていた。室内楽の演奏を聴いてみたくなった。オケのアンコールは2曲。来日1公演目から手抜きなしの全力演奏に拍手大喝采だった。