バイオレンス・アクションと書けば、なんだかこの小説に描かれるすさまじいばかりの暴力性を中和してしまいそうなので、敢えて暴力・犯罪小説と書く。ともに殺人による服役経験があり、老境に差し掛かった黒人と白人のコンビが、惨殺されたゲイカップルの息子たちの仇を討とうと悪党に挑む。
それだけならシンプルなストーリーだけど、この父親たちが息子たちの性自認を受け入れられず、親子断絶状態にあった。すなわちLGBT差別の問題や、小説の舞台である南部にいまだ色濃く残る人種差別といったアメリカ社会の暗部をも織り込んでいて、単なるバイオレンス・アクションにとどまらないのも確か。
ともかく暴力のオンパレードで、いとも簡単に人が殺されてゆく。エンタメとして消費されていいものかと逡巡するほどだけど、ロートルの父親2人の奮闘をテンポよく起伏をつけながら描き、悪玉のボスと決着を付けるクライマックスまで読者を惹き付ける力強い物語には違いない。(ハーパーブックス)
【28日の備忘録】
休肝日2日目。朝=ご飯1膳、目玉焼き、茹でブロッコリー、昼=寿司ランチ、夜=豚ミンチとキャベツのオムレツ。体重=59.4キロ。