LIVEメモ(鈴木康博 2023年2月18日 横浜・関内ホール) | IN THE WIND

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(ネタバレあり)

昨日はYASSさんこと鈴木康博さんのバースデーライブで横浜へ日帰り遠征。YASSさんのライブは去年10月のバンドライブ以来、弾き語りライブだと去年4月の大阪以来になる。この日で75歳になったYASSさんは相変わらず若々しくカッコいい。一昨年から断続的に続く弾き語りツアー 十里の道も九里が半ば とは違った構成でオフコースの曲を多めに歌った。ソロになってからの曲もノリノリの曲を中心に歌い、会場は大いに盛り上がった。

 

この日のYASSさんは白地にカラフルな染め模様の柄シャツに黒いパンツ、白のスニーカーといういでたち。ギターを手に歌う立ち姿がすごくカッコいい。ギターを持つと若くても前かがみになりがちなのに背筋がピンと伸びていて、ご本人は「今日、後期高齢者になりました」とおどけていたけれど、とても75歳には見えない。チケットも完売で満員の客席からの拍手にYASSさんもとっても嬉しそうで、まさに満面の笑み。鳴り止まない拍手にダブルアンコールで応えてくれた。

 

セットリストは次の通り。ギターはオフコース時代の愛器で一昨年ぐらいからライブで復活した MARTIN D-41 。

1. フォークソングバー 2. 心の言葉 3. のがすなチャンスを 4. 雨よ激しく 5. ロンド 6. 潮の香り 7. 一億の夜を越えて 8. いくつもの星の下で 9. 映画

(休憩) 

10. 現実ってヤツは 11. 遥かなる願い 12. 対(ペアー) 13. 孤独 14. 夢キッスR70 15. 挽歌 16. 自由といっても 17. だから歩け歩け 18. 昨日への手紙

(ENCORE1)

1.  幸せまでもうちょっと 2. 燃ゆる心あるかぎり 

(ENCORE2)

1. でももう花はいらない

 

【MC抄録】(走り書きのメモに基づく)

今日、後期高齢者になりました。国の制度で僕が言いたいんじゃない。国民健康保険の問題とか手続きが増えてきた。いきなりお達しがあっていついっかこうしろということで、自覚しなきゃ、のほほんとしてちゃいけないのかなって。みなさんはまだ歳いってない人が多そうだけど、自分の思いとは別に国から言わられるから覚悟してください(1曲目の後に)

 

自分の誕生日にライブができる、日取りがよかったんですね。お陰様でたくさんお祝いをしていただける。こんなにおめでとうオーラを受け取るってなかなかないですよ。ここまでやってこれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。そんな気持ちを歌にしました(2曲目の前に)

 

今日は昔からのことを振り返りながら進めたい。オフコースの頃の歌をたくさん歌ってみようかなという感じ。少し前にBSの番組があったようで、知らなかったです。知人がやってたよと教えてくれて、ああ、そうですかと(3曲目の前に)

 

オフコースの頃の曲をやると拍手が大きくなる。久しぶりです、こんな拍手は。オフコース時代で一番面白かった時は、「ワインの匂い」を出したあたり、「Song is Love」「JUNKTION」「FAIRWAY」、そのあたりが一番面白かった。正式に5人にはなってなかったけど、メンバーはあの5人でレコーディングしてました。やってみたいこと、できそうなこと、何でもやってみたい、フォークっぽいのだけじゃなく、レコーディングで試せること何でもしてみようとか。ライブではヒット曲がないからどうやってウケようか、お客さんにウケるのにカバー曲、ビートルズ、ビージーズとかやったりした。洋楽をたくさんコピーして楽しみながら勉強した面白い時代でした。その後5人でワーッと盛り上がった。それはそれで別なんですけど、音楽的に誰に指図されず、まだオフコースのイメージも決まっていない、何でもできて楽しかった(5曲目の前に)

 

最近シティポップなんて言われてオフコースもぎりぎり入るらしく、若いミュージシャンがやってくれて嬉しい。ヒット曲関係なく、A面でなくてもいいって自信を取り戻してる感じ(6曲目の後に)

 

オフコースも野外やってるんです、田園コロシアムで。5千から6千の人数で2日間やった。それまであんまり大きなところでやってなかったですが、野外ライブやりたいと言い出した人がいて、もう一人の人ですけど。武道館は反対だったんですよ、私と小田さんは。市民会館クラスでもお客さん多いなら何日間かやればいいって。あっちはそうなんですけど、その時はどういうわけか野外やろうって。それから他のメンバーに大きいところでやろうっていう気が芽生えちゃったのかなぁ。僕のギターの音も大きくなった。大きな会場に合わせたギターサウンドになって、僕の好みじゃないのに僕のせいだと言われて。オフコースの未来を考えてギターサウンドをそっちの方向に踏み切ったんです。その後に正式に5人のオフコースになって「Three and Two」というアルバムを出して世界が広がり始めた感じです(7曲目の前に)

 

これまでの活動でいろいろ節目がありました。長いですから順調に行くわけにはいかないと思ってましたけど、それ以上に節目があって、朝起きて鏡で顔を見て大丈夫だよって通過してきた。乗り越えたとは言えませんけど(16曲目の前に)

 

ステージで拍手をいただくとホントに嬉しいです。いつだったか忘れましたけど、コロナの後にちょっと大きめの会場でやった時に拍手が鳴り止まなかった。今日みたいにアンコールの拍手もいっぱいで、このまま帰るわけにはいかないなと。まだ夕方にもなってない(2回目のアンコールの登場時に)

(MC抄録はここまで)

 

YASSさんが面白かった」と振り返った「Song is Love」「JUNKTION」「FAIRWAY」は試行錯誤の三部作とか悩める三部作とか言われることもあるのは古くからのファンはご存知の通り。洋楽をいっぱい聴いたのはステージで演奏するためのコピーだけじゃなく最先端のサウンドに触れてインスパイアされたり、換骨奪胎してオフコースサウンドに採り入れたりして、まさにオフコースだけの色を求めた創作的な営みだったのだろう。

 

その上でこの日のMCで最も印象深かったのは、オフコース時代で一番面白かった時代の理由として挙げられた まだオフコースのイメージも決まっていない というくだり。YASSさんが意識して言ったのかどうかはわからないけれど、「さよなら」の大ヒットで世間一般的には決定的となった「オフコース=小田和正」の固定イメージに縛られ、YASSさんのサウンド作りが迷走した苦い記憶と表裏一体を成しているように思う。

 

さて、コロナ前までのバースデーライブは埼玉の郊外のレストランでディナー時間帯だったので日帰りは難しく、一度も行ったことがなかった。でも昨日は14時半開演で会場も新横浜駅から30分ぐらい。YASSさんもMCで言ってた 遠くの人が来やすくなるのではという目論見 に、僕は見事ハマったわけだ。YASSさんが遠くから来た人どれぐらいいますかと尋ねたら、想像してたよりは少なかったようで、意外そうな表情を見せていた。来月は神戸と京都でまたYASSさんに会える。

(ライブレポは以上)

 

【18日の備忘録】

横浜日帰り。朝=ご飯1膳、ジャコピーマン、リンゴ、昼=パン屋の惣菜パン。飲酒=赤ワイン4杯。体重=59.8キロ。