LIVEメモ(ボストン交響楽団 2022年11月11日 フェスティバルホール) | IN THE WIND

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かつては小澤征爾さんが率いたこともある米国の名門オケ・ボストン交響楽団(BSO)の大阪公演。9日に横浜で始まって京都、大阪と巡って13日から東京3日間の計6公演の3日目となる。BSOを生で聴くのはもちろん初めてなのでとっても楽しみだった。指揮のアンドリス・ネルソンスさんは名前も初めて聞く全然知らない人で、大きな熊みたいな風貌だった。プログラムは下の写真の通り。

 

お目当てはベートーベンのピアノコンチェルトを弾く内田光子さん。僕的にはモーツァルトやシューベルトのピアノ作品で軽やかさとともに端正で研ぎ澄まれたような繊細さを持つイメージが強い内田さんがきらびやかで男性的な「皇帝」をどう弾くのかとっても楽しみだった。ところがところが、内田さんの演奏ももちろんよかったのだけど、ショスタコの演奏が全部持っていっちゃうほどの超絶的熱演で、演奏が終わった瞬間、思わず「すげぇ」と声を漏らしてしまった。

 

それは間違いなく観客全体の思いでもあり、「ブラボー」の声もかかり(ブラボー屋かもしれないけど)、拍手の大きさや熱っぽさ、そこに込められた賞賛の気持ちは明らかに「皇帝」の時より上回っていた気がする。正直言うと、ショスタコは5番に限らずCDでもしっかりと聴きこんだことがほぼなく、難解で取っ付きにくいイメージだったので、眠くなりやしないかと心配だった。でもまったくの杞憂で、ショスタコ、少なくともこの5番に対する僕の認識を完全に覆してくれた。

 

内田さんの名誉のために重ねて書き添えておくけど、「皇帝」の演奏も素晴らしかった。少々ミスタッチもあったものの、派手さを抑えつつ、清新さ、瑞々しさをまとった端正な演奏が印象的だった。演奏後の観客の拍手も相当熱がこもっていたけれど、登場時の拍手もまさに割れんばかりであったことは強調しておきたい。フェスティバルホールでこんなに大きな拍手を聞いたことがないぐらいで、「世界のウチダ」に対する敬意と期待の表れであったのは間違いない。

 

楽屋口に掲出されてた「BSO」の表示。ほかの来日オケでは見た記憶がない。楽団員が迷子にならないようにするためか? それとオレンジ色はたまたまなのか、楽団のシンボルカラーなのか?

 

【11日の備忘録】

朝=ご飯1膳、ジャコ入り卵焼き、リンゴ、昼=ご飯1膳、ポトフもどき、茹でブロッコリー。飲酒=赤ワイン4杯。体重=60キロ