小田さんツアーの密着ドキュメント | IN THE WIND

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Don't think twice, It's all right !

昨日深夜から今日未明にかけて、NHK-BSプレミアムで小田和正さんの特番が放送された。昨年あったコンサートツアー ENCORE ! ! の舞台裏に7カ月間、密着取材したというドキュメンタリー。昨夜はちょっと事情があって飲みに出たので、今日になって録画で見た。

 

コンサートのオープニングを飾った汽車の映像と 会いに行く の前奏から番組がスタート。ステージやリハーサル、楽屋裏、ご当地紀行の収録模様に、100年インタビューで小田さんの熱心なファンとして大ブレイクした阿部渉アナウンサーのインタビューを時折挟む構成のほぼほぼ2時間。

 

日ごろは見ることができない楽屋などでのシーンや、小田さんの思いに触れた気になるような言葉に加え、リハ中の仮曲順といった資料性の高い映像などもあって、貴重なシーンがたくさん詰め込まれていた。1回見ただけではなかなか消化しきれないと思いつつ、あえて現時点での感想を記しておく。

 

正直なところ、収録した映像をコマ切れに詰め込んだ、という印象はぬぐえない。地震や台風などいろいろなことがあったし、あまりにも収録すべきエピソードが多すぎて2時間では短かったのかもしれない。テアトロンの奇跡の2日間、武道館、最後の横浜などに絞り込む手もあった気がする。

 

そして、オフコース時代から小田さんを撮り続けている西浦清さんをメインのカメラマンに起用し、舞台裏での質問も委ねたのなら、ツアー中はそれに徹するべきだった。阿部アナが楽屋でインタビューするシーンも何度かあったけれど、西浦さん、阿部アナの位置づけがどっちつかずに終わったような気がする。

 

服装から見当をつけるにおそらくツアー後、阿部アナは小田さんにまとめてインタビューし、小田さんから貴重な言葉も引き出していた。だからこそ、ツアー中は取材者、観察者に徹して、このまとめのインタビューの一発勝負で疑問をぶつけたり、思いを聞いたりした方がよかったのではなかろうか。

 

印象に残った小田さんの言葉はいろいろあるけれど、やはり「進退」をめぐる小田さんの語りに尽きる。リハ中に 最後のツアーかもしれないからね と語っていた真意を、阿部アナからまとめのインタビューで問われた小田さんの答えを引用してみる。

 

60超えてから いつまで歌うもんなのかなっていうのはずっと考えていたからね。周りの同級生たちがみんな定年でやめていくじゃない。「いつまで歌うんだよ」ってみんな聞くし。あるとき先輩が「お客さんが来てくれるうちは歌え」 と言ってくれて 、あぁそういうものなのかなっていう。でも、深刻に最後になるかもしれないなっていうふうには考えたことはもないけどね。

 

先輩からの言葉は以前のツアーのMCで聞いた覚えがあるし、小田さんも進退についてはっきりと答えたわけじゃないけれど、現時点で小田さんが抱く思いの一端に触れることができたのは貴重だった。

 

番組を横浜2日目の この道を で締めくくったのは、この歌の歌詞に小田さんの音楽に向き合う姿勢そのものを重ねてみたのだろうか。なかなか効果的なエンディングだった。あと、賛否両論はあるだろうけれど、各地で観客にツアータイトルの意味を聞いたインタビューは、僕的には要らなかった。

 

いずれにせよ、もう何回か見れば新たな発見もあるだろうし、番組に対する評価も変わるかも知れない。できればもう少し長目の3時間バージョンとかで再放送してほしいな。

 

【2日の備忘録】

朝=コンビニのサンドイッチ、惣菜パン、サラダ、昼=ネギ塩豚丼。飲酒=赤ワイン3杯、白ワイン1杯。体重=62.6キロ。