読書メモ「保守主義とは何か」(宇野重規) | IN THE WIND

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副題は 反フランス革命から現代日本まで 。近代において保守主義は、抽象的な理念に基づいて社会の変革を目指した進歩主義の対抗軸として存在意義があったとし、フランス革命や社会主義革命などに対峙した保守主義の歩みを読み解いていく。さらには米国や日本の保守主義について解き明かす。

 

読書中、政治史や思想史の知識を、体系的に身につけていないことを突きつけられているようであり、高校時代の政経や倫社を復習させられているようでもあった。内容を的確に要約するのは僕の手に余るけれど、日本について触れた部分を備忘録的に書き置いておく。

 

本書によると、現行の政治秩序の漸進的改革を試みるというのが本来の保守主義という。ところが、戦後日本の保守主義は、敗戦と占領によってもたらされた戦後の政治体制を、とりあえず保守する「状況的保守主義」か、押し付け憲法に基づく体制だ、などとして否認する「保守ならざる保守」という両極に分解するという困難に陥っていると説く。

 

そして、明治憲法体制を前提に民主化の要求に漸進的に応えてきたのが近代日本の保守主義の「本流」であるといえ、戦後憲法の定着した現代において、前述のような漸進的発展を目指すことこそが保守主義の「本流」を継承することになる、と主張している。

 

その際重要なのは、戦後一度も戦争をしなかった戦後体験から何を学び、継承するかを問う思想的反省だ、と指摘。「戦後レジームの克服」を掲げる人物が首相を務める国で、歴史の連続性の中に保守すべき価値を見いだす保守主義の英知が求められていると締めくくる。(中公新書)

 

【22日の備忘録】

朝=ご飯1膳、ちりめんじゃこ、ナシ、昼=牛丼、夜=手羽中とズッキーニのトマト煮。飲酒=赤ワイン8杯。体重=62キロ。

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