【 闇の子供たち 】 | Darkside of the Moon

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こんばんは、ジュンです。

以前から気になっておりました映画、【 闇の子供たち 】を、
先日、観てまいりました。
昨年、公開された時からずっと、いつか見なければ・・・と思っていた作品です。

タイを舞台にした、人身売買・幼児売買春・臓器売買・・・
決してよその国の話では片付けられない内容です。

しかし、この作品を観る決心が、管理人にはなかなかつきませんでした。
管理人が良くお邪魔するブログには、
タイの国をとても愛していらっしゃるブロガーさんがたくさんいらっしゃいます。
タイのことを何も知らない自分が、闇の部分だけを取り上げた作品を観て、
偏見を持ってしまうのではないか・・・
と言うことが、とても怖かったのです。

そのような理由で、先延ばしにしておりましたが、
先日、訪タイをよくなさっている、ある方のブログで、

この作品のことが取り上げられておりました。
ご自分がとても好きな国で行われているであろう、悲しい出来ごとに、
きちんと向き合って、感想を書いていらっしゃいました。

そのブログを読んで、この作品を観る決心がつきました。



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  日本新聞社のバンコク支局の記者・南部(江口陽介)は、東京本社からある調査を依頼される。
  それは、近くタイで行われる日本人の子供の心臓移植手術についてである。
  日本では認められていない15歳以下の移植のため、
  闇ルートを通じて、違法な臓器売買が行われるというのだ。
  調査を進めるうちに、その臓器は提供者の子供が生きたままえぐり取られるという、
  衝撃の事実であった。

  同じ頃、日本からやってきた音羽(宮崎あおい)は、
  貧困地域の子供たちを支援しながら、自分探しをするために、
  タイのNGO団体の社会福祉センターで、活動していた。

  取材のためにセンターを訪れた南部から、臓器売買の情報を知らされ、
  貧民街からセンターに通っていた子供が、最近姿を見せなくなったことに困惑する。
  実は、子供たちはマフィアが仕切る、ある売春宿に売り飛ばされており、
  大勢の子供たちが、劣悪な環境で監禁されていた。

  臓器売買の事実を掴み、子供たちを救う為に、
  それぞれの立場から行動を起こす南部と音羽。

  最後に待っていた結末は、思いもよらぬものだった・・・



初めに、この話は小説『 闇の子供たち 』を原作としたフィクションであると言うことを、
決して忘れてはいけない。
このことが欠落してしまうと、この作品に飲み込まれ、
すべてを現実のこととして、見誤ってしまう。
それは、とても危険なことだ。
実際、作家・梁 石日がきちんと取材をした上で、この小説を書いているはずであるが、
あくまでも、小説として書かれている以上、
これをノンフィクションとして捕らえることは、間違いであると思う。
以上のことを踏まえての感想である。


スクリーンに映し出される映像・・・
進んでゆくストーリー・・・

このムカムカとする胸の不愉快な感触は、
どこから湧き上がってくるのだろう。
どこまでが事実で、どこからがフィクションなのか、
常に頭のどこかで考えながら、スクリーンを見つめる。

描き出されるのは、痛ましい子供たちの姿であるはずなのに、
大人たちの醜さだけが、残って、積み重なってゆく。
臓器移植も、子供たちの人身売買も、幼児買春も、
すべて、大人の都合で行われること。
子供たちはすべて被害者である。

それなのに、子供たちへの残酷な行為や、
悲惨な状況をすべて消してしまうほどに、
スクリーンに映し出される大人たちは醜いのだ。
それは、事件を追う南部や音羽ですら同じことである。

自分の都合で取材を進めてゆく南部も、
自分の理想を振りかざして、後先を考えずに突っ走る音羽も、
すべてが醜く思えてしまう。

これは、フィクションである。
しかし、この中のかなりの部分が事実であるとしたら、
それは、この世界から大人の醜さがなくならない限り、
解決しない問題なのかもしれない

最後に明かされた、南部の秘密・・・
この部分は必要だったのか?
さまざまな問題を提示して、そこまで進んできた作品が、
一気に、作り物へと色褪せてしまう。
しかし、この物語をフィクションとして見せるために、
あえて、必要だったのかもしれないと思う。



そして、エンドロールで流れる桑田佳祐のエンディング曲・・・
何か違うんじゃねぇ~? と思った、管理人なのでした (;´▽`A``

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