【 春琴抄 】 | Darkside of the Moon

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こんにちは、ジュンです。

以前、何回か話題にしました映画【 春琴抄 】を、先日観て参りました。

これまでにも、何回も映画化されてきた作品です。
それだけに、谷崎潤一郎の耽美な世界を、斎藤 工くんがどれだけ表現できるのか・・・
大変、楽しみにしていた作品です。


などと言いながら、実は原作を読んでいなかった管理人・・・(^▽^;)

映画を観終わった後、これは原作を読まねば何も語れないと悟り、

まず、原作を読んでみました。

春琴抄 (新潮文庫)/谷崎 潤一郎
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裕福な薬種商に生まれ、三味線・琴の才能に溢れ・美貌にも恵まれた春琴は、

9歳で病のために盲目となる。

ちょうどその頃、奉公に上がった佐助が、春琴の身の回りの世話をするようになる。

そして、佐助も春琴を師と仰ぎ、三味線を学ぶようになる。

我儘に育った上に、盲目になってしまった春琴は、

佐助が泣き出すような稽古をつけるが、

佐助にとって、その時間は春琴と過ごす至福の時であった。


そんな中、春琴は身ごもり、佐助そっくりな子を生すが、

互いに、佐助の子であることを頑なに否定し、そのこは里子に出された。


不思議な二人の関係は続き、時は過ぎてゆく。

春琴の美貌のせいか、それとも音曲の才能を妬まれたのかは定かではないが、

ある夜、春琴は顔に熱湯を浴びせられ、大きな火傷を負ってしまう。

春琴は、その顔を見られることを拒み、佐助にすら顔を見せようとしない。

佐助は、春琴の美しい顔を永遠に閉じ込めるために、

自らの両目を針で突き、春琴と同じ世界で生きることに喜びを見出す。


佐助は、外に出ることのなくなった春琴の代わりに弟子を取りながら、

長い月日を添い遂げた。




こんな、不思議な世界観を持った作品でございました。

これは、この作品を実際に読んでいただかないと、伝わらないと思います。

佐助の究極のMと言いますか、

春琴の為なら我が身の痛みは感じないと言うか、

もう、ここまで来ると狂気ではないか?と管理人は思ってしまいました (^▽^;)




そして、斎藤 工くんが演じた今回の映画は・・・

原作を削りに削って、原作にある無機質感を上手く表現しています。

春琴の無理難題を淡々と聞き入れながら、幸せを感じている佐助を、

なかなか上手く演じておりました。


ただ、とても残念なのが、着慣れない着物の乱れです。

無機質な美しさで、物語を表現するのであれば、

外見の乱れは、絶対に許されないこと・・・

なのに、佐助の襟元の乱れ、裾周りの乱れが度々みられ、

現実の世界に引き戻されてしまいます。


これを良しとしてしまう制作態度に、

せっかく上手い脚本が出来ているのに残念だなぁ~と思う、管理人です。


あっ、両目を針で突いて、血を流すシーンはスルーで・・・ σ(^_^;)



この映画を見て、原作が読めたことに感謝いたします m(_ _)m



東京での上映は、すでに終了しております。

地方上映はHPでご確認下さい!





斉藤工が魅せる!究極の耽美文学 メイキング・オブ「春琴抄」
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