こんにちは、ジュンです。
以前、何回か話題にしました映画【 春琴抄 】を、先日観て参りました。
これまでにも、何回も映画化されてきた作品です。
それだけに、谷崎潤一郎の耽美な世界を、斎藤 工くんがどれだけ表現できるのか・・・
大変、楽しみにしていた作品です。
などと言いながら、実は原作を読んでいなかった管理人・・・(^▽^;)
映画を観終わった後、これは原作を読まねば何も語れないと悟り、
まず、原作を読んでみました。
- 春琴抄 (新潮文庫)/谷崎 潤一郎
- ¥300
- Amazon.co.jp
裕福な薬種商に生まれ、三味線・琴の才能に溢れ・美貌にも恵まれた春琴は、
9歳で病のために盲目となる。
ちょうどその頃、奉公に上がった佐助が、春琴の身の回りの世話をするようになる。
そして、佐助も春琴を師と仰ぎ、三味線を学ぶようになる。
我儘に育った上に、盲目になってしまった春琴は、
佐助が泣き出すような稽古をつけるが、
佐助にとって、その時間は春琴と過ごす至福の時であった。
そんな中、春琴は身ごもり、佐助そっくりな子を生すが、
互いに、佐助の子であることを頑なに否定し、そのこは里子に出された。
不思議な二人の関係は続き、時は過ぎてゆく。
春琴の美貌のせいか、それとも音曲の才能を妬まれたのかは定かではないが、
ある夜、春琴は顔に熱湯を浴びせられ、大きな火傷を負ってしまう。
春琴は、その顔を見られることを拒み、佐助にすら顔を見せようとしない。
佐助は、春琴の美しい顔を永遠に閉じ込めるために、
自らの両目を針で突き、春琴と同じ世界で生きることに喜びを見出す。
佐助は、外に出ることのなくなった春琴の代わりに弟子を取りながら、
長い月日を添い遂げた。
こんな、不思議な世界観を持った作品でございました。
これは、この作品を実際に読んでいただかないと、伝わらないと思います。
佐助の究極のMと言いますか、
春琴の為なら我が身の痛みは感じないと言うか、
もう、ここまで来ると狂気ではないか?と管理人は思ってしまいました (^▽^;)
そして、斎藤 工くんが演じた今回の映画は・・・
原作を削りに削って、原作にある無機質感を上手く表現しています。
春琴の無理難題を淡々と聞き入れながら、幸せを感じている佐助を、
なかなか上手く演じておりました。
ただ、とても残念なのが、着慣れない着物の乱れです。
無機質な美しさで、物語を表現するのであれば、
外見の乱れは、絶対に許されないこと・・・
なのに、佐助の襟元の乱れ、裾周りの乱れが度々みられ、
現実の世界に引き戻されてしまいます。
これを良しとしてしまう制作態度に、
せっかく上手い脚本が出来ているのに残念だなぁ~と思う、管理人です。
あっ、両目を針で突いて、血を流すシーンはスルーで・・・ σ(^_^;)
この映画を見て、原作が読めたことに感謝いたします m(_ _)m
東京での上映は、すでに終了しております。
地方上映はHPでご確認下さい!