≪ 月神(ダイアナ)の浅き夢 ≫ | Darkside of the Moon

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こんばんは、ジュンです。


「山内練」に会いたくて・・・、第三弾のご紹介は、

柴田よしき、「RIKO」シリーズの第三作目【 月神の浅き夢 】です。



  女刑事・緑子(RIKO)は、一児の母として生活する中、

  子の父であるであろう安藤明彦との入籍も決心して、幸せの中にいた。

  そんな時、若い男性刑事だけを狙った、連続猟奇殺人事件が起こる。

  手足・性器を切り取られ木にぶら下げられた、刑事たちの死体・・・


  緑子の過去に深く絡む同期の高須義久から、

  次のターゲットになるのは自分ではないか・・・という、怯えた電話が入る。

  そんな高須からの要請で、この事件の捜査本部に呼ばれた緑子は、

  これを最後の事件として引き受けることにする。


  捜査が進むにつれ、見え隠れする練の姿・・・

  そして、前回の罪を償い出所した麻生をも巻き込み、

  事件の真相が見えた時、緑子の身を襲う影が・・・



この作品を読み始めた瞬間、今までの「RIKO」シリーズ2作とは違う! と、瞬間に感じた。

そして、一気にその世界に引き込まれた。

それまでの緑子の中に、どうしても好きになれない部分があり、

練、会いたさに自分を納得させながら読んでいたことを、この作品を読んで実感した。

このシリーズを通して、緑子自身も成長している。

人間として、母として、女として、回りを見ながら自分の生き方を模索している彼女を、

素直に受け入れることが出来た。



そして、やはり麻生と練君のことを書かなければいけません(笑)

今回、捜査を進めるうちに、緑子は練君の過去と正面から対峙してしまいます。

12年前の事件のことを・・・

麻生との間に何があったのかを・・・

なぜ麻生が練を愛してしまうのかを・・・

緑子を通して、練と麻生の切ない気持ちが溢れてきます。

行き場のない気持ちを抱えたまま、二人は生きていくしかないのでしょうか・・・

12年前に何があったのか、今回も練は答えをくれませんでした。

練の胸に羽を休める青い蝶だけが、彼の気持ちを知っているのでしょう。


このお話で、二人は事件そのものには直接関係ありませんが、

事件解決の糸口に、深くかかわってきます。

この二人がいる限り、緑子は刑事を続けていくのだろうなぁ~と、思う管理人です。


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