明日の記憶 | しょうひかの時々日記

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本、映画、韓国ドラマ、グルメなど。推し様は、ソンフン、アン・ヒョソプ、ヤン・セジョン、チャン・ドンユン、ナム・ユンス。他にも、ドラマ観る度、好きな人増えていきます。感想は、Filmarksで。連携したりしなかったり。そんなすごいこと書いてません。

荻原 浩
明日の記憶

 「渡辺謙」さんの主演で映画が公開されますね。先日「男たちの大和」を観にいった際、予告で知って、ぜひ観たいなぁ、と思い、先に原作を読んでみることにしました。

 もともと作者の「荻原浩」さんの作品はけっこう読んでいるのですが、デビュー作「オロロ畑でつかまえて」、その続編「なかよし小鳩組」など、どちらかといえばくすっと笑ってしまうような物語、「さよならバースディ」のようにサスペンスタッチで切ない系の物語、等読む本によってずいぶん印象が違うことに驚かされます。

 で、この「明日の記憶」。若年性アルツハイマーを題材にした物語です。少し前に同じ病気をテーマにした韓流映画「私の頭の中の消しゴム」がヒットしましたね(私は観てないんですが)。数年前にドラマでも永作博美さん主演でありましたし(いつだったっけ、だいぶ前だよなぁ)。

 自分の記憶が薄れていき、それでも企業マンである主人公「佐伯」は、他人からみれば異常とも思えるぐらい、会社でのやりとり、取引先との約束、すべてをメモ帳に残し、スーツのポケットをパンパンにふくらませるのです。

 物語後半での、「木崎」先生の裏切り(としか言いようがない)のシーンからは、私は泣きながら読み進みました(どの部分か読んだ方はわかるよね?読んでない方はあやふやな表現で失礼いたします。あまりネタバレしたくないんで)。「ここに人間の弱さを見た!!!」という感じがして、主人公に対してはもちろん、「木崎」先生に対しても悲しさを感じました。多分、このシーンは映画でもやると思います。それを想像しただけで、またまた泣いてしまいそう。。。

 妻である「枝実子」さんとのやりとりもすごくリアルで、どちらもお互いのことを思って苦悩する様子がひしひしと伝わってきます。

 ラストもなんだか切ないです。

 それでも、読んで良かった、と思えた物語でした。でも映画で観るのは辛いような気がして迷っています。