取り越し苦労 | てんのいと(天の意図)

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実践から知り得た真実・・・そこには民族や宗教というカテゴリーは存在しない・・・
ただ【魂の法則】があるだけ・・・
*立証するためのオーブ写真・動画・録音などたくさん記録いたしました。
被験者と共に実体験から得た本当の魂の世界。

ひろさちや著書「般若心経」生き方のヒントより抜粋


『取り越し苦労』

飢えたロバがいました。

腹をペコペコにすかしていて幸運にも 乾し草の山を見つけました。

だが、2つの乾し草の山を見つけたのです。

それは不幸なことでした。

ロバは「どちらを食べればよいかの?」と迷ってしまったのです。
どちらを食べてもいいのだから、ちっとも迷う必要はないと思うかも しれませんが、それは大きな間違いです。

迷いというものの本質は迷う必要がないから迷うのです。

たとえば、
昼めしに鰻重を食べるかお寿司を食べるか迷います。
それは、鰻重を食べても、お寿司を食べてもどちらでもいいからです。
迷う必要がないから迷うのです。
鰻の嫌いな人は、迷わずお寿司を食べるでしょう。

人間は「未来」に対しても迷います。
それは未来が「わからない」からです。

ロバは最初、右の乾し草がおいしそうだと思ってそちらに歩いて行くのですが、
途中で左の方がうまそうだと考えて、それで左に行きます。

しかし、左に向かって 歩いているうちに、やはり右の方がいいと思い直して再び右に引き返す。

すると、こんどは左の方がうまそうに思える。
それで左に向かう。

そうしているうちに、とうとうロバは翌日、2つの乾し草の中間で飢え死にをした。

そういうオチがついている話です。
愚かなロバです。

しかし、わたしたちは、このロバを嗤(わら)えません。

わたしたち自身、このロバと同じ迷いを迷っているからです。

どちらを食べても同じなのに、だからちっとも迷う必要がないのに、それを迷いに迷って苦しんでいます。

それが人間なんです。

実は、その問題を、われわれは『般若心経』に聞いてみたいのです。

『般若心経』であれば、そのような問題にどう答えるか? 

それがわれわれの テーマなのです。

たとえば、あなたが癌を宣告されたとします。
あなたが癌にかかって、あと1年の 寿命と言われたとします。
そのまま何の治療もしなければ、1年の寿命しかない。

しかし、放射線療法をすれば、ひょっとしたら癌を克服できるかもしれません。
だが、その成功率は7パーセントです。

さあ、あなたはどうしますか?

放射線療法を受ければ、いろんな副作用があるようです。
頭髪が全部抜け落ち、 肌にはしみが出てきます。
全身にむくみが出てきます。
そして、精神的にも げんなりとし虚脱状態になるようです。
そうなることを覚悟で、成功率 7パーセントに賭けて、あなたは放射線療法を受けますか?

それとも、まあ普通の状態で死んでゆきますか?

そこで、迷いが生じます。

いや、迷いが生じる人がいます。

でも、言っておきますが、 私は迷いませんよ。私はそのような状況に立たされたら、ためらうことなく治療を 拒否します。
普通の状態で死んでゆくことを希望します。
けれども、この点を誤解しないでほしいのですが、それが『般若心経』の教え ではありません。

『般若心経』は、
頭髪が全部抜け落ちて、見るも無惨な姿になって生きるよりは、むしろ人間らしい姿のままで死ぬほうがましだと、そんなことを教えているのではありません。

『般若心経』が教えている ことは、そんなことはどっちだってかまわないということです。

そんなことにこだわるな、というのが、『般若心経』の教えです。

キリスト教のイエス・キリストも「明日のことまで思い悩むな。

明日のことは明日自らが思い悩む。

その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイによる福音書6)と言っています。

私たちは、取り越し苦労をやめて、今日のことだけ考えていればいいのです。

だから、癌を宣告されたとしたら、そのときに迷えばいいのです。

そういうときには誰だって迷うのですから、そのときになってしっかりと 迷えばいいのです。

それが『般若心経』の教えです。

私は迷わない、といったことは、考えてみると『般若心経』の教えに反する ものです。
『般若心経』がわれわれに教えてくれているのは、迷っていいのだよ、大いに迷いなさい、ということです。

それを、偉そうに私は迷わない、と断言する なんて、もってのほかです。

われわれは、もし癌を宣告されたらどうしよう...と、なにも取り越し苦労をする必要はありません。

浪人生が、来年も受験に失敗しら....と思い悩むのも取り越し苦労です。

いっさい、取り越し苦労はやめましょう。

私たちは、取り越し苦労はやめて、そのときになって真剣に考えればいいのです。

・・・なるほど~。
一日、一生!
毎日、精進!
生きて死ぬまで皆平等に与えられた課題です。

2019年の日記より