仕事は足で稼ぐ
営業職の方などは先輩や上司からこんな事を言われた経験があるんじゃないでしょうか?
営業マンは1年で何足もの靴底が擦りきれるほど外回りをして、顧客や仕事を集めなければいけないなんて言われたりします。
僕達料理人は外回りをして営業をすることは基本的にありませんが、少しでも良い食材を探したり、原価をなるべく押さえるためには、やはり自らの足を使わなければいけないと思います。
近年気候の変化で様々な素材が獲れたり獲れなかったり、思うように生育しなかったりと、魚介類はもとより野菜などもビックリするほど価格が高騰しています。
さらには時化や寒波の影響で素材の入荷すら微妙だったりするわけです。
そんなわけで今週は毎日築地市場へ足を運びました
自分のお店ですし、料理人なんだから当たり前と言えば当たり前の事ですが、日々仕事が終わって自宅に帰り就寝時間が3時や4時となると、なかなか毎日市場へ行くのも大変なわけです
地下鉄で行き帰りの往復だけでも1時間程かかるので、そこで睡眠時間を取るか削るかはその後の仕事に大きな影響を与えるからなんですよね。
途中昼寝でもできればまだ良いのですが、人手が足りない今はそれも出来ないので…
元々地元豊橋にいた時は毎朝市場へ仕入れに行くのが当たり前だったので、市場へ出向くこと自体は好きなんですけどね
東京に来てからはファックスで発注をし、配達してもらうことが増え、築地市場に行くのは週に2~3回くらいになっていました。
ところが、ここのところの素材の価格高騰に加え、入荷状況の不安定さもあったので、自らの足で探し、自らの目で品定めをして、品質を落とすことなく少しでも安定した価格で仕入れができるようにしたかったんです。
なので今週は東京に来て初の皆勤賞ですね
毎朝眠い目を擦りながら出掛けますが、一度築地市場に足を踏み入れるとやはり気合いが入りますし、ウキウキと気持ちも高まります。
自分のお店で自らが使う素材探しですから、一生懸命になりますし、楽しいに決まってますよね
毎日通えば市場の仲買さんや業者の方々とも交流ができますし、いろいろと情報も教えてもらえて良い結果が生まれることもあります。
こうやって料理人も安定した価格の物や、質の良い素材を集めるためには足を使わなければいけないわけですね。
つまり料理人が足で稼ぐとはこういう事なんです
これからも出来る限り自ら足を運んで、納得のいく素材を仕入れたいと思います。
車海老は甘味が際立つサイマキのサイズが良いですね