「京の夏の旅」千本えんま堂~北野天満宮~六道珍皇寺 | 転勤族☆たれ旅ぶろぐ2 from 千葉(転勤8回目!)

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 京都市と社団法人京都市観光協会主催の「京の夏の旅」。7月19日から9月30日まで文化財特別拝観が行われます。今回は、定期観光バス特別ツアーのひとつ「京の異界伝説をたずねて」のルートを巡ってきました。


 市バス1日券500円を買い、まずは北野天満宮の右上、千本えんま堂(引接寺/いんじょうじ)へ。
 http://yenmado.jp/

 最寄のバス停は、乾隆校前。京阪利用なら橋を渡った河原町今出川から、烏丸線利用なら烏丸今出川から、59番のバス。千本通をそのまま北へ、左手にあります。
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 小野篁(おのたかむら)により、平安時代に建てられたお寺。嵯峨天皇に仕えた小野篁は、学者・歌人としても知られる官僚で、昼は朝廷に出仕し、夜は閻魔庁の役人を務めたのだとか。
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 スタッフが案内してくれるので、本堂の前で少し待機。手前は、釈迦の弟子のびんずる様。
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 壁には閻魔様などが描かれていたが、剥落してしまったそう。
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 さて、中へ。
 本尊は閻魔法王。高さ幅ともに2.4mで、その瞳は琥珀。(写真は、看板から。)
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 この地は「化野(あだしの)」「鳥辺野」と並んで、小野篁が定めた平安京三大埋葬地(当時は風葬)のひとつ「蓮台野」の入り口にあたります。

 本堂の裏に地蔵供養池があります。8月7日から10日まで、池で水塔婆を流し迎え、鐘をつき、お精霊迎えを行います。15日から16日には、お精霊送りを行います。普段は静かなお寺も、この時期は参拝者で賑わうそう。

 池の手前に、地蔵菩薩と小野篁が祀られている部屋があります。お堂が焼けてしまったので、仮のお堂だとか。閻魔法王は、地蔵菩薩の変化した姿だそう。

 そして、十王図というのが展示されていました。人が死んでからどのような裁きを受けていくのかというもので、7日ごとに1人の如来や菩薩が変化した王により裁きがあります。35日目の閻魔法王の裁きが最も決定権があり、49日には死者の行く末が決まります。ここで生前行いの良かった者はすぐに天上界へ、悪かったものは地獄へ行きます。お葬式の後の49日の法要は、遺族が祈る事で、死者が天上界へ行きやすくするというものだったんですね。なお、3回忌(亡くなって2年後)には阿弥陀如来が全員を救ってくれるので、地獄に落ちた者も天上界へ行く事ができます。人殺しをした者は救われないようですが。


 千本今出川までバスで戻って、北野天満宮前下車。今出川通を通るバスは全て止まります。
 http://www.kitanotenmangu.or.jp/
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 東京に住んでいると天神様=湯島天神ですが、規模が全く違う。参道も長ーい。
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 境内のあちこちにいる牛の頭を撫でると、賢くなれるとか。
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 立派な三光門。
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 立派な社殿。
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 天神さま=菅原道真だと誰もが知っているものですが、どうして「異界伝説」なのか。無実の罪を着て不遇のうちに大宰府にて生涯を終えた後、都には落雷など天変地異が続き、道真が雷神と化したという伝説が生まれたそう。

 それから宝物殿へ。今朝の新聞の1面に載っていた、千年ぶりに発見された木造鬼神像は、かつて街路や街道の要所にあった道祖神のようなもの。怖い表情の中にも可愛らしさがあり、見に行った甲斐がありました。ヒューレッドパッカード社による、国宝「北野天神縁起絵巻」のデジタルコピーも必見。色彩鮮やかというだけではなく、紙のシワなどもくっきりコピーされています。


 次は、六道珍皇寺へ。
 http://kaiwai.city.kyoto.jp/search/view_sight.php?ManageCode=1000245&InforKindCode=1
 102で百万遍に行き206に乗り換え。又は、203で祇園に行き100などに乗り換え、清水道下車。
 八坂通の1本南側(松原通?)を西へ。六波羅蜜寺の手前。
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 六道とは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の6種の冥界。
 平安時代に弘法大師の師・慶俊僧都が開いたこのお寺は、葬送地・鳥辺野の入口。
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 ここでもスタッフが案内してくれます。
 薬師堂には薬師如来、中庭の閻魔堂には閻魔大王と小野篁が祀られています。
 薬師堂の隣の部屋には地獄絵「熊野観心十界図」が展示されていました。(写真は看板から。)
 奥の部屋には韓国・中国の地獄絵も展示されており、見比べると面白いです。
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 庭の隅に、小野篁が冥界への行き来に使ったという井戸が残っています。
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 観光バスのルートでは、六道珍皇寺→千本えんま堂→清明神社→北野天満宮。今回は清明神社には行かなかったけれど、陰陽師モノが好きな方は行ってみては?