紫外線はなぜ怖いのか
紫外線が容赦なく降り注ぐ季節。私たちの肌に、悪い影響を及ぼすことは皆さんもご存知のことと思います
かつて、わたし(40代後半)が子供の頃は、「夏に日に焼けると、冬になっても風邪をひかない」と言われていました。夏休みには、家族で海水浴に行って、真っ黒に日焼けしたものです。今の常識とはまったくの正反対ですよね
嫌われ者の紫外線ですが、紫外線を浴びることの長所もあります。
紫外線は、ビタミンDを活性化してくれます。食事で摂取したビタミンDは、紫外線を受けるとカルシウムの吸収力を高め、骨を強くするのです。それは、“骨粗しょう症”の予防にもつながるというのです。でもやはり、浴び過ぎは禁物ですよ。
紫外線で問題となるのは、U-VB(紫外線B波)です。ほとんどは大気層で吸収されますが、一部は地表へ到達します。これが、皮膚や目に悪影響を与える根源です。日焼けを起こしたり、皮膚がん、白内障などの原因となるのです。
次回は、紫外線の問題が、わたしが子供の頃よりも一層深刻になっていることについて、お話したいと思います。お楽しみに!
【今日の1問!】
紫外線について述べた次の文章のうち、正しいものはいくつあるでしょうか?
① 紫外線による日焼けは、皮膚についた細菌を殺し、風邪をひかない丈夫な体を作るので、子供の頃から日焼けの習慣を身に着けるべきである。
② 食事で摂取したビタミンDは、紫外線を受けるとカルシウムの吸収力を高め、骨を強くする効果がある。骨粗しょう症の予防にもつながると言われている。
③ 日焼けや皮膚がん、白内障の原因となっているのは、紫外線のうちでも、U-VA(紫外線A波)とい言われる波長で、短時間でもその影響を受けやすい。
④ 紫外線は、地球温暖化の大きな要因のひとつになっている。
【前回のこたえ→】③
二十四節季は季節ごとに分類して覚えるといいですよ。
【春】 立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨
【夏】 立夏 小満 芒種 夏至 小暑 大暑
【秋】 立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降
【冬】 立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒
夏至を迎えると思うこと
今年2012年の夏至の日は、6月21日でした。もう、過ぎていたんですね。夏至は、太陽高度が最も高くなる日であり、一年で最も昼の時間が長くなる日です。日射も一番強い時期。しかし、梅雨真っ最中なので、どうも実感が湧かない・・・。
夏至を過ぎると、いよいよ本格的な夏にまっしぐら、ということになるのですが、よくよく考えてみると、太陽高度はこれから段々低くなり、それとともに日射も弱くなっていく時期に入ったことを意味します。となると、「あー、もう夏は終わりか・・・」みたいな気分になることがあります。
まあ、実際には、太陽の熱が地面を温め、それが空気を温めるという具合に、太陽高度が最も高い時期から気温が最も高くなる時期までは、約1ヶ月半のタイムラグがあるので、確かに、夏本番はこれからですから、夏の到来を大いに楽しみにしてまいりましょう。今年の夏は、西日本を中心に暑い夏になりそうです。
そういえば、沖縄は23日に梅雨明けしましたね。平年並みの梅雨明けですが、梅雨入りが4月28日だったので、梅雨の期間は長かったんですね。
【今日の1問!】
Q.二十四節気は、春・夏・秋・冬のそれぞれの季節に6つずつあります。以下の空欄に入る正しい組み合わせを下記の①~⑤の中から選びなさい。
【春】
立春 雨水 啓蟄 春分 ( a ) 穀雨
【夏】
立夏 小満 ( b ) 夏至 小暑 大暑
【秋】
立秋 ( c ) 白露 秋分 寒露 霜降
【冬】
立冬 小雪 ( d ) 冬至 小寒 大寒
( a ) ( b ) ( c ) ( d )
① 清明 大満 処暑 大雪
② 明清 芒種 暑処 氷雪
③ 清明 芒種 処暑 大雪
④ 節分 木枯 風雨 中雪
⑤ 清明 芒種 秋淋 本寒
【前回のこたえ→】③ 大雨ナウキャスト
正しくは、降水ナウキャストです。1時間先までの5分毎の降水の強さを予報します。例えば、9時25分の予報では10時25分までの各5分毎の降水の強さを予測します。 降水短時間予報を利用することにより、数時間の大雨の動向を把握して、避難行動や災害対策に役立てることができます。さらに、数十分の強い雨で発生する都市型の洪水などでは、降水ナウキャストが迅速な防災活動に役立ちます。降水短時間予報と降水ナウキャストを併せて利用することで、防災活動に有効な情報を得ることができます。 降水短時間予報や降水ナウキャストは、外出や屋外での作業前に目先数時間の雨の有無を知りたいときなど、日常生活でも便利に利用することができます。(降水ナウキャストの解説は、気象庁HPより抜粋)
大雨や台風に備えて
大変お待たせいたしました!1年以上ぶりの更新です。今後は、1週間程度の割合で更新していきますので、楽しみにしていてくださいね。
記事の最後には、【今日の1問!】も掲載しています。天気検定で出題されるような傾向問題を用意していますので、ぜひともお役立てください。
さて、きょうの本題です。気象庁が発行している 「大雨や台風に備えて 」(平成24年5月) という冊子をご存じでしょうか。タイトルのとおり、毎年のように繰り返される大雨や台風の災害に備えて、私たちは、どのような情報を入手し、行動すればよいのか、過去の事例に基づいて、たくさんの写真や図表、イラスト付きで、わかりやすく解説されています。
簡単に内容を紹介すると、「平成23年7月新潟・福島豪雨」や「平成23年台風12号」のときの大雨の事例、大雨や台風によって起こる災害、防災気象情報とその効果的な利用、土砂災害警戒情報に関する知識、防災気象情報などの入手方法、災害への備え、など、私たちが知っておきたい情報や役立つ情報が満載です。
冊子URL
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/ooametyphoon/index.html
また、外出先でも、携帯電話やスマートフォンから防災気象情報を入手することができますが、国土交通省防災情報提供センターの携帯電話用サイトからも、防災気象情報を閲覧することができます。
携帯専用URL
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/i-index.html
台風や大雨は、毎年大きな災害をもたらします。これらの防災気象情報を上手に活用することで、被害を未然に防いだり、軽減することは可能です。 テレビやラジオなどの気象情報と合わせて、利用するとよいでしょう。そして、最後に、災害への備えをもう一度確認しておきましょう。
【今日の1問!】
Q.台風や大雨の際、気象庁ではさまざまな防災情報や各種予報を発表して、注意や警戒を喚起しています。では、次に挙げる防災情報や予報のうち、気象庁が発表していないものはどれでしょうか。ひとつ選びなさい。
① 指定河川洪水予報 ② 土砂災害警戒情報 ③ 大雨ナウキャスト
④ 記録的短時間大雨情報 ⑤ 降水短時間予報
【前回のこたえ→】③(妹背)
ちなみに、今年(平成24年)は「小手毬」でした。歴代の「今年の桜」についてはこちら をご覧下さい。
桜の季語~桜蕊降る~
今年はお花見自体に様々な意見が飛び交っていますが、当の桜は一年かけて開花の準備をしてきました。そして、例年に違わず各地で一所懸命に花を咲かせており、仙台管区気象台は12日にソメイヨシノの開花を発表しました。東北地方では今週末、気温が平年より高くなる見込みとなっており、満開を迎える桜も出てきそうです。
さて、江戸時代のはしり好きDNAが色濃く日本人に流れているのか、ソメイヨシノに関してはメディアも「いつ開花するか」「いつ満開になるか」と頻繁に取り上げます。しかし、盛りを過ぎた桜に関しては滅多に取り上げられることはなく、散り始めて葉桜に向かう桜を見上げる人は多くありません。
でも、こんな季語をご存知でしょうか?
「桜蕊(さくらしべ)降る」
これは、ソメイヨシノの花弁が散り、それを追うように臙脂色の顎(がく)や蕊(しべ)がポトリポトリと落ち始める様子を表現したものです。ソメイヨシノはピンクの花だけが身上ではありません。静かに桜蕊を降らせた後は、新緑の季節に向けて若葉の準備をし、夏には涼しい日陰を作ってくれます。そして秋には見事な紅葉を楽しませてくれる--春以外にあまり意識をすることはないかもしれませんが、一年中私たちの傍に佇んでいる木なのです。
ソメイヨシノの開花、満開、桜蕊降る、新緑、万緑、紅葉、落葉を私たちの日々の生活や一生になぞらえると、一年を通して見上げる機会が増えるかもしれませんね。
【今日の1問!】
Q.大阪造幣局では、今日14日から20日までの7日間、「桜の通り抜け」を開催します。造幣局で鑑賞できる桜は、大半が遅咲きの八重桜で、その中から毎年一種を「今年の桜」として紹介し、通り抜けの桜に親しみを持ってもらう取り組みをしています。さて、「今年の桜」は次のうちどれでしょうか。
① 養老桜(ようろうざくら) ② 伊豆最福寺枝垂(いずさいふくじしだれ) ③ 妹背(いもせ) ④ 楊貴妃(ようきひ)
【前回のこたえ→】②(異常気象)
気象庁での地球環境監視業務においては、30年に1回程度で起こる現象を異常気象と定義し、その発生数の長期変化傾向などを監視しています。ちなみに世界気象機関(WMO)では、異常気象を25年に1回程度で起こる現象としており、国や機関によって多少の違いはあるようです。現在異常気象とされている現象でも、気候が変われば異常気象ではなくなることもありますし、もちろんその逆もあります。
平年値の更新
先月31日、気象庁は2011年5月18日から新しい平年値を使用すると発表しました。平年値とは、その土地の平均的な気候を知る重要な数値で、気象庁では過去30年間の平均値を平年値としています。例えば、「桜の開花が平年より3日早かった」という場合、この「平年」は過去30年の平均のことを指します。
また、「平年並み」という言葉もよく耳にしますが、これは過去30年間の観測値を小さい順に並べて、小さい方から10番目までを「低い(少ない)」、11~20番目を「平年並み」、それ以上を「高い(多い)」と分類したものです。例えば、ある年の冬の平均気温が、過去30年と比べて低い方から11~20番目に入れば「平年並み」になり、低い方から21番目以降だと「暖冬」になります。
このように、私たちにとてもなじみの深い平年値ですが、実は毎年更新されるわけではなく、西暦の一の位が"1"になる年にしか更新されません。つまり、2011年の今年は、10年ぶりに平年値が更新される年に当たるというわけです。これまで使われてきた旧平年値は1971年~2000年の平均でしたが、今回新しくなる平年値は1981年~2010年の平均となります。
気象庁が発表した新平年値は次のURLでご覧いただけます(http://www.jma.go.jp/jma/press/1103/30a/110330_attach.pdf )。
この資料には、新平年値と旧平年値の比較も載っており、次のことがわかります。
① 年平均気温は、すべての気象官署で0.1℃~0.5℃上昇します。
② 桜の開花日は、ほとんどの気象官署で1~3日早くなります。
③ 台風の接近数は、近畿以東でやや多くなります。
④ 梅雨入り・梅雨明けとも、1~2日遅くなる地方があるものの、大きな変化はありません。
こんなところにも地球温暖化の影響を垣間見ることができますね。平年値も時とともに変わっていきます。50年後、100年後の平年値は今とは全く異なっているかもしれません。
【今日の1問!】
Q.気象庁では、30年に一回程度しか起こらない気象現象を何と呼んでいるでしょうか。
① 特異気象 ② 異常気象 ③ 天変現象 ④ 記録的現象
【前回のこたえ→】③(なたね梅雨)
3月中旬~4月上旬の長雨は、菜の花が咲く時期でもあることから「菜種(なたね)梅雨」と呼ばれています。ちなみに、「さざんか梅雨」は秋から冬にかけてみられる長雨のこと、「えぞ梅雨」は北海道特有の冷涼な長雨、「はしり梅雨」は梅雨の前ぶれとなる雨のことで、卯の花腐し(くたし)と呼ばれることもあります。