庶民の働く女性 | テンカス・気まぐれ1人旅

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城をはじめ、名所、旧跡巡りが好きです。
最近は歴史にも興味があり、いろいろ調べ
気になった所をまとめ載せていきます。
よかったら覗いてみてください。

働く女性


今ではほとんど姿を見かけることがなくなったけれども、

かっては京都の町では、桂女・小原女・白川女・

畑が姥などが、それぞれに装いをこらして、

鮎、黒木の紫、草花、梯子など持参の物を売り歩く声が、

よく聞かれたものである。


これらの女性たちは、いずれも近郊の農村から京都に

行商に来たのだが、それはともかく、

このような職業婦人の姿が、京都のみならず各地の都市部に、

にわかに増大したのは、室町時代に入ってからであった。


絵図の一種で、南北朝から室町にかけて作られたものに

「職人歌絵図」というのがある。歌合のテーマに

職人を取り上げたところに特徴があり

「東北院職人歌合」「鶴岡放生会職人歌合」

「三十二番職人歌合」「七十一番職人歌合」の四点が、

現在に伝えられている。


当時の職人の生態をうかがう格好の史料であるが、

それを見ると、働く男たちの中に混じって

女性もたくさん登場し、一口に職業婦人といっても、

当時の女性はなかなか多様な業種に携わっていたようである。


例えば、四点のうち業種の一番豊富な「七十一番職人歌合」

についてみると、百四十二種中、実に四十種近い職業に

女性の姿が見られる。


餅売り、扇売り、白粉売り、そうめん売り、豆腐売りなどの

物売り業、紺掻(こうがき)機織り、酒作り、織物師など

生産に従事する者、かんなぎ(巫女)いたか(供養尼)など

宗教に関わりを持つ物、あるいは立君、辻君のように

春をひさぐもの。










日本女性の歴史(室町争乱期の女性)

(暁教育図書/女の暮らしとしごと)ヨリ