●つながると何かがつむがれる
つむぐとつなぐ。
よくにている気がする。
つむぐ:綿・繭(まゆ)を錘(つむ)にかけて、繊維を引き出し、糸にする。
つなぐ:離れているものを一つに結ぶ。
google先生に聞くと、こんな意味が出てきた。
●陽と陰
先日、亡くなった叔父の四十九日があった。
供養の後、会席がもうけられ親戚がわいわいあつまってごはんを食べながらおしゃべりした。
いとこの子供たちはまだ4〜5歳。
最初は、たがいにもじもじしていたが、こどものこと、すぐに仲良くなって一緒に遊び始める。
それぞれの子の親たちも、飽きないように、また初めてあう子供たちが仲良くできるように、間に入ってやったりする。
そうやって集い、ふれあい、親族ならではの温かみを子供らも体感し、つぎにつないでいくのだろうなあとぼんやりと思う。
一人の従姉妹の夫が、建築現場の職人をしている。
彼は、中学、高校のころは友達がすくなく、学校に行かずに家にいたことも多かったという。
殻に閉じこもる日々。
ただ、精神的に、心理的に病むところまでは行かず、まるで嫌いなピーマンを鼻をつまんで飲み込むような気持ちで学校になんとか復帰し卒業した。
そんな彼が高校を卒業し、仕事についた。
中学高校時代の反動か、仕事についてからは何かと自己主張を繰り返した。
上司、同僚、ときには顧客に対しても、感じたことはストレートにそのまま伝えてしまう。
そんな相手の一人に、顧客の経理担当の女性がいた。
彼女は私立の名門中高一貫校に、トップの成績で入ったのち高校2年で学校をやめ、居酒屋などでのバイトをていくつかしたのちその会社に就職した。
彼女は高校時代、伝統的な、硬直した校風になじめず放送室にたてこもってパンクロックを大音響で流すなど、思いきった反発行動を繰り返した。
「問題生徒」と学校はなんどか話し合いをもったが、結局彼女自身が中退という選択肢を選んだ。
そんな彼女と彼は、仕事を通し出会い、当初は仕事の話をしていても必ず口論に発展するという犬猿の仲だったという。
ただ、同じような「世の中との自分の折り合いのつかなさ」を抱える二人だが、彼女のほうは陽、彼は陰。
陽の彼女から発せられる言葉、身体表現は、黒く、暗く、陰に押し込めがちな彼の気持ちに光と温度を与えていった。
いつしか彼は、彼女の「陽」に引き寄せられるようにして、また彼女も、彼のナイーブで、実は優しく繊細な部分に引かれ、二人は結婚にいたった。
彼の、高校時代の写真を見せてもらったことがある。
いかにも「ヤンキー」。近づくとやけどしそうなヒリヒリした熱と棘が伝わってくるような、いでたちと表情だった。
そんな彼が、法事の席の会食の場で、従姉妹の子供たちとともに飛行機遊びに興じている。
うちきな子の目線に立って、ちょっとばかり引きつった笑顔ながら、辛抱強く相手をして、その子の気持ちをほぐそうと興味を引き出そうとしている。
つむいだ糸がつながり、一つのかたまりとなって次をつむぐ連鎖を生み、また糸として離れたものどうしをつなげていく。
なんかいいなあ。
ぼんやりと、アラフィフお一人様は思う。
先日、我が息子はなにも言わずに家を出てどこかへ引っ越していった。
「それでも自立して仕事をして、大好きな人がいるならちゃんと誠実に向き合えていればいいのです」
・・・息子のことを(口うるさい)叔母たちにと聞かれ、美しくまとめようとしたら
「社会人としてなにも言わずに出ていき、連絡もなく、連絡先も伝えようとしないのはあるまじき」
「あんたのその、優柔不断であやふやなところがすべての中途半端につながってる」
と一刀両断された。けちょんけちょん。
人はどこかほころびがあるものさ。
ほころびも多ければ、また一興。嗚呼。

