オープニングテーマ曲:YOUTHFUL - 99RadioService
ヨシエの『スーブス』パワーをまざまざと見せつけられたジュンペイとエツコはすっかり毒気を抜かれ、やり場のない気持ちに戸惑っていた。やがてジュンペイはあることに気づき、慌てて席を立った。「ヤバい!!カッちゃんが喰われちまう」
「……私もいく!!責任あるもん」
親友の自分以外に対する行動パターンは熟知するエツコもあとに続く。残された吉野先生は右手でチョークを真っ二つに割った。真紅の唇をわなわなと震わせたが、苛立ちをぶつける相手はここにはいなかった。
そのころ、保健教諭である柴野由美がいるはずの保健室では、ヨシエのアツい吐息とカッちゃんの阿鼻叫喚が交錯していた。
「さあ♪アタクシの提案を貴方は受け入れるの?決して悪い取引じゃないハズよ」
「……いやだ」
「よく聞こえないわ?貴方にはメリットしかないのよ?」
「嫌だあぁぁぁぁぁぁ助けてくれぇぇぇ」
保健室は別館にあり、ジュンペイとエツコは渡り廊下を走っていたのだが、そのとき確かにジュンペイたちはカッちゃんに何かが起こったことを悟った。ジュンペイは思わず立ち尽くし、エツコにぽつりといった。
「……ついにヤられちゃったかな」
「……まさかヨシエに限ってそこまで強引なことはしないと思ってたけど……いくらカッちゃんを好きでも女の子なんだし」
「バカいえ……あいつは欲しいものなら力ずくで奪うケダモノさ」
やがて、顔面蒼白となったカッちゃんがふらふらした足取りで向こう側から歩いてくる。制服は嵐に遭遇したかのごとく乱れ、髪の毛は総毛立っていて、まるでタガメに生気を吸いとられたメダカだなとジュンペイは思った。
すれ違いざまに声をかけようとしたが、吹けば倒れる葦のようなカッちゃんに何といえばよいか躊躇っていると、逆に話しかけられた。季節外れの蚊がふわぁんと鳴いたように。
「お前たちも来いよ……責任とれ……」
ぞくりとした。とてつもなく嫌な予感がしたが、おそるおそる問わずにはいられない。
「……どこに?」
「……ヨシエとのデートだよ……」
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