新感覚青春音楽小説【勝手にジュンペイ!!】56 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

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ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

ジュンペイとエツコから脱兎のごとく駆け出したカッちゃんは、気が付くと幼少のころ3人が育った施設の入り口まできていた。中学までをここで過ごしたからか、落ち着く空間だ。夕焼けがカッちゃんと建物をやわらかく包む。どれくらいそうしていただろう。 その後ろにはヨシエが見守っていた。


「アタクシのピアノ、聴いてほしいんだけれど」


ヨシエの一言でようやく我に返ったカッちゃんだが、ヨシエにほっとした。彼女の眼は、慈悲にあふれていた。何かいわなければならないわけでもなく、ただ、ピアノを聴いていればよかった。彼女の才能は豊かな音に注がれていて、身を委ねていてとても心地よかった。束の間、エツコとジュンペイのことを忘れられたのがとても不思議だった。その日はじめて、カッちゃんは、寮に帰らず外泊した。もちろん、ヨシエの執事経由で許可は得られているのだが、外泊という事実に、ジュンペイもエツコも、心を痛めていた。



(つづく)