溜め息混じりに最後のピースを埋めると、RUIは誰ともなくひとりごちた。「やっと完成。といっても、誰にあげるわけでもないんだけど」
部屋では、パンダのぬいぐるみが我が物顔で縦横無尽に歩き回っている。パンダは漫画「稲中卓球部」のシネシネ団みたいで気に入っていたのだが、そもそもシネシネ団は恋人不在に対する嫉妬の象徴だということに、聖バレンタインデーである今日になって思いつく自分に嫌気がさした。
「恋もパズルも組み立ててるときが一番楽しいの。完成すれば最後、お飾りにしかならないのだわ」
こんな鬱々としてしまう自分を天気のせいにしてしまおうとしたその時、パンダがテーブルに躓いた拍子に落ちたリモコンが、テレビのスイッチを点けた。
相武万太郎と名乗る作家が、RUIを見つけたかのようなタイミングで、言った。
「築き上げたものは、飾りものじゃない。煮るなり焼くなりして食べてしまえばいい。それがあなたの血となり肉となるのだから」
RUIも何故だか自分に対する言葉と受け止め、そっと呟いた。「愛を、ありがとう」