ちりん。
ちりん。
まただ。隣の部屋から風鈴の音色が鳴り響いている。
暴風雨のなか、風鈴をつけっぱなしなんて、いい加減にしてほしい。窓に目を向けると、ショートヘアーの私の髪が怒髪のごとく、散りながら紅に光ってみえた。
ついに、私の堪忍袋の緒が切れた。もう我慢できない――。
私はのっそりとベッドから起き、隣ですやすや寝ている彼氏をまたぐと、押し入れをまさぐった。
確かに、それはあった。私はそれをおもむろに顔の前に差し出すと、窓の一点を見つめ、ひたすら待った。
きた。くるべき時がきた刹那、左手を降ると、闇のなか銀色に輝くハンドベルが軽やかな音とともに弾け飛んだ。
するとさっきまで鼾をかいていた彼氏がぱっちり目覚め、ベッド脇のギターを奏でだす。
ああっ、やっぱり音楽サイコー!
そう、私たちは音を聴くと体中が反応してしまう、音楽バカ。暴風雨のおかげで私たちは今日も寝不足だった。
だけどもお互いがオーディエンス、満足いくまで闇夜の演奏会は続くのだった。