オジーの病状は一進一退で、小康状態とは言えなかった。
しかし、発作前にランディが吠えたりボディタッチしたりして警告することで、
心臓の負担は軽減化されているのは事実だった。
また、人あたりのよい性格のランディは、オジーの隣人たちや職場でもすっかり市民権を得たようで、一家は満ち足りた生活を送っていた。
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ある日、オジーはランディの様子に違和感を覚えた。何かが違う…
シャロンにも聞いてみると、彼女は即答した。「わかったわ。彼、以前より水をほしがるのよ」
身の回りの世話を引き受けている彼女らしい視点にオジーは舌を巻いた。
加齢によるものか、それとも何か病気なのだろうか。
人間でいえば中年にさしかかったランディは、これまで大病にかかったことはなかったが、
心配になった2人は病院に連れていった。
いつも柔和な笑顔で迎えてくれるドクター・サーゾは、オジーの瞳をまっすぐ見つめながら、言葉を選びながら、彼に宣告した。
「腫瘍が骨にまで転移している。ランディは、長くないかもしれない」
ランディは、オジーを慰めるかのように、彼の膝に手をのせた。
オジーはランディをみた。涙でランディの琥珀色がかすんだ。
思わず、何かの間違いだろうとつぶやいていた。シャロンのすすり泣きが、遠くに聞こえる。
いつもの発作でない胸の痛みが、オジーを支配した。
シャロンは、オジーとランディを抱き寄せ、へたりこんでいる。
「ああ、神様!どうか私たちにご加護を!」
(続く)
※本作品は、アメリカの実話を元に創作した小説です。