夢をみた。
私は、某宗教法人の幹部に転職していた。
転職と思っているようだから、魂は売っていない。
決行の日に向け、準備していたのだ。
標的は霞ヶ関だ。
早朝8時、新聞紙にくるんだ劇薬サリンを地下鉄車内に拡散させるのだ。
なんだ。地下鉄サリン事件そのままじゃないか。
私の担当は丸の内線、時計の針がまさに朝8時を指した時。
私は尖らせた傘で新聞紙にくるんだ科学兵器を突き破った。
霞ヶ関駅に到着し、車内から脱出しようとした瞬間、目が醒めた。
体を起こした後も、気分が重かった。
おそるおそる、テレビをつける。
各局のニュースを確認したが、平穏な日常が流れている。
溜飲を下げた。
この夢を見るのは、 「あの日」以来二回目だった。
私は主犯格でもないし、止めようもない。
だが、あまりにもリアルなこの夢は、私を罪の意識へ突き落とす。
どうか、二度と起こりませんように…
ふと今朝の新聞に目をやった。
不眠症を訴える人は
私だけではないらしい。
不眠症で居続ける人の意識が、もし、いっせいに飛んでしまったら…
世界はきっと破滅するだろう。
了