小説【禁煙できない男】第2話 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

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ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

健雄とは数年ぶりだった。


康雄は兄と鉢合わせしないよう帰省していたが、
実家の最寄り駅ホームで出くわした。



1時間に数本のローカル電車だから有り得ない話ではなかったが、
健雄の姿をみつけた瞬間、思わず舌打ちした。



健雄は肩で風をきりながら近づいてきた。

「まだ煙草吸ってんだな。俺は今日、スパッとやめたよ」


「1日くれぇで自慢すんな」
康雄は煙草をくゆらし、健雄の顔に吹きかけてみせた。


健雄は気にする様子もなく、ガムをかんでいる。
「くせぇ息を煙草でごまかしてるお前とは人間が違ぇんだ。禁煙なんて楽勝だよ」



健雄はつづける。「ま、お前が俺に勝てるワケねぇ。
これまでもそうだったし、これからもだ」



康雄は声が震えそうになるのを必死にこらえ、いった。
「やってやんよ。今度こそお前をぶちのめしてやる」



「高校すらまともに通えなかったお前が?


笑えるぜ。


はっ、少しの我慢もできず、ブチ切れてばかりだったお前は、
俺の残りカスなんだよ!

できるもんなら、やってみやがれ」



健雄の高笑いに、康雄は静かに言い返した。「後で、吠え面かくんじゃねぇぞ」



澄んだ青空に、
すいかけのマルボロが跳ねた。




数年ぶりに、
康雄と健雄の、闘いの火ぶたが落とされた瞬間だった。


第3話につづく

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