小説【田中兄弟】第1話 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

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ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

「まったく嫌な役回りだぜ。なぁ兄ちゃん」


「仕方ねえ。会社の命令あらば、サラリーマンはやらざるを得ない」



田中丸男と礼二、通称田中兄弟は、巨大ゲーム会社のインフラ工事部門に所属する配管工だ。



以前、下水道に落ちた硬貨をネコババしていたことが会社にバレた。



ソフト開発部の同期が悪ふざけでテレビゲームにしたら大ヒットし、
田中兄弟もお咎めなし。



会社のイメージキャラクターにまでされてしまい、
表向きは正義のヒーローなのだ。




それにしても、今回の会社命令は人権蹂躙な気がした。



カメ王国のクッパにさらわれたキノコ王国のビーチ姫を

素手で救出に向かえ?



警察か軍隊に頼めよ(-_-#)



向こうは大砲やら炎やら、
とても一般人には手に余る代物でキノコ王国を鎮圧したって噂だ。



ちょっと正義のヒーローなイメージがあるからって、
武術の覚えもない腹のせり出た中年オヤジの出番じゃねー。



会社は犬死しても、骨すら拾ってくれやしないだろう。



こんな話を引き受けるなんて
兄ちゃんは何を企んでるんだ。



礼二は、手に職はあるし、辞表を叩きつけてやろうと考えていたが、
兄の考えを聞き出してからでも遅くないと、辞表を腹のポケットにそっとしまった。