中学生の頃、私は電車で通学していた。

当時の電車は、全ての車輌が、ボックスシート

だった。座席も木でできていて、それにシートが

貼られていた感じだ。

窓には、日除けの為のブラインドがあり、それも

木でできていた。

 

私が乗るのは、目時駅から、三戸駅までで、

トンネルを2つ抜ける。

景色もよく、乗り心地も良かったので、ついつい

友達とのおしゃべりに夢中になってしまい、慌てて

三戸駅で下車することもしばしばだった。

 

ある土曜日、部活動の為、お母さんにお弁当を

作ってもらい持って行った。

その弁当箱は、私の好きなキャラクターの弁当箱で、

これまた新しいピンクの手提げバッグだった。

私は、ルンルン気分で電車に乗り、また友達との

おしゃべりに夢中になっていた。

 

三戸駅で降り、バスで学校近くの停留所まで行く。

そこから徒歩で、15分くらい。なかなかの距離だ。

 

土曜日なので、4時間で授業は終わりホームルーム

である。さあ、友達とお弁当を食べて部活に

行こうとした。

その時!

あれ?お弁当箱がない!!

あせって、朝の通学時を思い返してみる。

 

ああっ!!電車の中に置き忘れた!

家に帰って、お母さんに話し終着駅に問い合わせ

てもらったが、見つからなかった。

 

新しく買ってもらったお弁当。せっかくお母さんが

作ってくれたお弁当。

どこへ行ってしまったのか。

中学時代の苦い思い出である。

 

 

 

 

現在の三戸駅です。

大きく変わってないところが、懐かしく

ほっとします。