この青森県南部から、岩手県北部は、

南部地方と呼ばれ、名産品として、

「南部せんべい」というものがある。

小学生の頃、夏休みの宿題で「働く人」

という絵の課題があった。

私は、近所のせんべい屋さんに頼み、

そこで働くおばさんを写生させてもらった。

おばさんは、手を粉だらけにしながら、

もくもくと手を動かし、それを機械に入れて

南部せんべいを焼く。

 

南部せんべいを焼くと、その切れ端ができる。

それを集めて、「せんべいの耳」として

売っていた。

それは柔らかく弾力があって、すいとんを

乾燥させたような(?)食感だった。

それを、おやつに食べるのが好きで、

せんべいより、食べていたかもしれない。

またある日、友達の家に行くと、ごまの

南部せんべいに、青森ねぶたの缶に入った、

水飴を塗り、その上にもう1枚のせんべいを

のせて「水飴サンド南部せんべい」を

出してくれた。

その美味しさは、当時の私には衝撃的で、

こんな食べ方もあるのかと感心した。

 

夏休みが終わり、私の宿題も絵の具で仕上げ

提出した。

その絵で、後日、賞をもらうこととなった。

おばさんにそのことを伝えると、とても喜んで

褒めてくれた。

私は、子供心に、おばさんと、南部せんべいを

一生忘れないと思った。

 

今の南部せんべいは、種類も豊富で食感も

パリッとしたものから、サクサクしたクッキー

生地のようなものまでいろいろあります。

ぜひ、皆さんも、お好きな南部せんべいを

見つけてください。

ちなみに、この写真の割しみチョコせんべいは、

岩手県二戸市にある、2door(ツードア)

という、おしゃれなチョコレートと南部せんべいの

店で買いました。

南部せんべいに、ホワイトチョコが、じんわり

しみてて、とても美味しかったです。