チョークストライプのスリーピース | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、身も心も温まる真冬のスタイルには欠かせないアイテムの1つ「チョークストライプ」柄のスリーピース・スーツを着て、3年ぶり3回目の登場です。

12月20日の週のクリスマス寒波より7週連続で厳しい寒さが続いていると書きながら、今年はずーっと同じような極寒の陽気が続いている最中、2012年春夏シーズンの新着生地が続々と到着し始めているのに伴って店内も春夏へと移行しなければと思いながらも、寒すぎてまだ冬物素材を使っての間物の注文が続いているせいか気分が乗らず、と言いながらも来週には店内も含めて全面的に春夏へと入れ替えをしていければと思いつつ、準備を進めているところです。

このチョークストライプのスリーピース・スーツは、弊店「TENJINYAMA」のショップがオープンした年(2004年)の秋口に作ったもので、私が「信濃屋」在籍中の1988年から着ていた「KITON」(キートン)社の同じ紺のチョークストライプを15年間擦り切れるまで着つぶして、その入れ替えにと癖のある体系に合わせながらオーダーし、真冬の季節のお気に入りとして必ずローテーションに加わえている、私が現在持っている冬物アイテムでは一番長い8年目の付き合いになりました。

この素材は、イタリア製生地メーカー「C.BARBERA」(カルロ・バルベラ)社が得意としている厚手でしっとりとしたウーステッドのフランネルで、ハッキリとした幅広のチョークストライプがダブルブレストには相性がピッタリで、と2回目にも紹介(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/45540828.html)していますが、近年は「バルベラ」社だけでなく他社も含め種類が少なくなっている素材の1つで、イギリス製はまだ2~3社で目方のある硬めのフランネル素材は継続して扱っていますが、イタリア製では殆んど見かけなくなりました。

弊社「天神山」と横浜「信濃屋」とも相性の良い「カルロ バルベラ」社の素材を数多く使って、「白井さん」の今までの経験とハイレベルなセンスによって生み出される「信濃屋オリジナル」の製品を1995年よりスタートして現在に至っていますが、このフラノ素材を使うのは諸事情で10年前までで終わってしまい、その後は軽量化が進み薄手の生地が主流になり「バルベラ」らしくない素材を多く見るようになりましたが、それこそもっと古い30年前のフランネルはもっと肉厚でしっとりとして復元力の高い見事な素材でした。

最近で一番近い素材としては、以前より何回か紹介しながら私も試して絶賛している「葛利毛織」社の自信作、「スーパー140‘s」のウーステッド・フラノで、欲を言うともう少し肉厚にして柄の種類を増やしてもらえば、今まで以上に「天神山流」の提案には欠かせない相性の合う冬の素材になるのではと思っています。

今回のコーディネイトは、白いオックスフォードのワイドカラーシャツに、カシミアブレザーの紹介時に使って思わず買ってしまったグレンチェック柄のウールタイを締めて、ペーズリーのポケットチーフをパフで飾り、靴はお預している「古いアメリカ靴」の中から譲っていただいた「JOHNSTON&MURPHY」社のフルブローグでいかがですか。

身体の芯まで凍るような厳しい寒さが続いている時は特に、ツイードやフランネルのような厚手の素材を着用すると薄手が着れなくなり、更にウエストコートも脱げなくなりと、温かさを一度味わってしまうと寒さを余計に感じてしまう体質になってしまったのか歳をとったせいなのか、と色々と考えつつ、上に羽織るオーバーコートから名脇役のマフラー&手袋まで、真冬ならではの色々な着こなしを楽しみながらレベルを高めていければと思っています。