今回は、第2回目の紹介に相応しい春物には欠かせないトラディショナルな素材「シャークスキン」のスリーピース・スーツの紹介です。
先週、都心でも初雪が降った“大寒”を境に乾燥注意報の連続記録が35日で途切れ、今週に入ってからは銀座界隈でも6年ぶりの積雪になるなど厳しい寒さが続いていて、厚手のコートとカシミアマフラー&手袋が手放せない毎日で、今年はなんだか4月まで低温傾向が長引きそうな長期予報もでて、身も心も温まる防寒スタイルを満喫できそうですね。
このスリーピース・スーツをお借りした方は、昨年3月の“東日本大震災”の被害を受けた弊社が利用している工場への“復興支援キャンペーン”のお知らせを見て冬物と夏物2着をご協力いただいてお付き合いが始まり、今回は春用にと素材の種類が多い今の時期にと早目に作られたものです。
この素材は、イタリアの生地メーカー「TOLLEGNO」社の270gのスーパー100‘sコレクションの中から選んでいただいたもので、各社色々な種類の中から微妙に違う「シャークスキン」の配色と風合いが気に入り作ることになりました。
モデルは、ナチュラルショルダーが好評で最近作る方が増えてきている「LBS」(ルチアーノバルベラ)を使い、シングル3ツ釦段返り、傾斜の少ないスラントチェンジポケットを付けてサイドベンツにして、春を意識してウエストコートを加え、スラックスはスタンダードにサスペンダーボタンを付けた2プリーツにしています。
今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、私の好きな2色使いのレップタイを締めて、ペーズリーのポケットチーフを華やかに挿して、靴はお借りしている「古いアメリカ靴」の中から私が譲っていただこうと思っている「JOHNSTON&MURPHY」社のフルブローグで春のイメージの出来上がりですね。
春物としては、ちょっと贅沢に前回紹介の「スパンカシミア」や、ネイビー系の色なら「サージ」、ブルー系やグレー系の色なら今回のような「シャークスキン」か「バーズアイ」といったところで、柄物では「ピンストライプ」や「グレンチェック」、「千鳥格子」など、トラディショナルなパターンを揃えようとすると以外と種類が多いのに気付かされますが、前回も書いたように、夏以外のオールシーズン用として種類が揃っている秋冬用の生地ブックが使える今の時期に春用として作られるのをおすすめします。
1月29日(日)は、横浜元町にお手伝いに行きます。
「信濃屋」ならではの身も心も温まる防寒スタイルを見るのが楽しみです。