グレンチェックのスリーピース | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、今シーズンおすすめのトラディショナル・パターンを代表する「グレンチェック」柄で作ったスリーピース・スーツの紹介です。

6月後半からなぜか東京地区だけは通り雨も少なく梅雨明けか?と思わせる日差しの強い“真夏モード”が続いていて、暑さに身体が慣れきれず少しバテ気味の私の服装は早くも通勤時から上着が羽織れず腕に下げた荷物入れだけの状態で、帰りは冷房が効いている車内に助けられながらなんとか羽織ったままで家までたどり着いているなどと、これから始まる夏本番に向かってこだわりの「夏の正統派スタイル」なんて言ってられない情けない状態に突入しています。

このスリーピース・スーツは、私自身が今シーズンの1着として選んだもので、今まで作ってきたものを意識して厚手の真冬用の素材は揃ってきたし、ダブルブレストのスリーピースが多くなってきたしと考えた結果、昨年作ったちょっと贅沢なスーパー180‘s素材の「チョークストライプ」http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/51508471.html)を試した感想として書いた、しっとりとした肌さわりからくる着心地の良さにひかれ、今回は柄違いでオーバーペインの入っていないシンプルなグレー系の「グレンチェック」柄で作ることにしました。

この素材は、昨年も紹介していますがイタリア最大の毛織物産地ビエッラを代表する、糸から生地までを一貫生産している服地メーカー「DORGO」(ドラゴ)社の、カシミアに勝るとも劣らぬしなやかな感触が特徴のスーパー180‘s(14.5ミクロン)の糸を使ったのもで、ここ何年かで一年を通して種類が増えてきている「グレンチェック」柄は、素材感とチェックの大きさや霜降り具合で雰囲気が微妙に変わってくるので、秋冬物は春夏物に比べ素材のムードに合わせたディテールの変化を楽しめ「トラディショナル・スタイル」の提案には欠かせない柄ではないでしょうか。

前にも書きましたが、私は紡毛系の素材「フランネル」「ツイード」が好きで、素材の種類が豊富な秋冬シーズンになると素材感や柄の雰囲気に合わせてディテールを変えながら着実に冬服の定番を増やし続けている中で、打ち込みのしっかりとした目方のあるものは仕立て映えがして気に入っているのですが、2008年の冬に作った「メイド イン ジャパン」の低速織機を使って織り上げたスーパー140‘sのウーステッドフラノ素材のブレザー&パンツと昨年のスーパー180’sの「チョークストライプ」を着る度になんとも言えないしっとりとした肌さわりと着心地の良さを感じながら、歳をとってきたせいかこれからは着易さを重視して作っていこうと徐々に気持ちが傾いているところです。

モデルは、私の体型に合ったいつも使っている「CRCS」(カラチェニ)ではなく、前シーズンのダブルブレストより久し振りに使い始めた弊社扱っているモデルの中では一番クラシックなゴージラインが低めの「RCSZ」(ローマンクラシック)を使い、3ツ釦段返り、チェンジポケット付きのサイドベンツにして、クラシックに襟付きのウエストコートを加え、スラックスはリバースプリーツにしています。

今回のコーディネイトは、いつものラウンドカラーのクレリックシャツに、今年の春に買ったお気に入りのストライプタイを締めて、今シーズン人気のペーズリー柄&小紋柄のポケットチーフを華やかに挿して、靴はお借りしている「古いアメリカ靴」の中から「JOHNSTON&MURPHY」社のフルブローグを合わせてみました。

まだ梅雨明けしていないこの時期に、私の気分だけでちょっと早目にスタートした2011年秋冬商品の紹介をしていますが、これから始まる夏本番の季節に活躍する夏シーズンおすすめのシアサッカーやコードレーンなど夏の定番素材を今からでもと加える方がいる中で、暑さに負けてダラシナクなる私の苦手にしているなが~い夏を乗り切りながら、気持ちと構想だけは秋冬へと着実に準備を進めたいと思っています。