今回は、夏服の定番素材として欠かすことの出来ない「シアサッカー」を使った、アンコンストラクション・スーツの紹介です。
寒かった1月も終わり今週から2月入り、本日は“節分”明日は“立春”とようやく春の足音が聞こえてきそうですが、今年の東京地区はまだ本格的な雪が降ってないし、3月半ばぐらいまでは何回かは寒波がやってくるしと思いながら、単純な私は先週に比べだいぶ気持ちは春へと移行しつつ、ウールからシルク素材の明るい色使いのネクタイへと替えるなど無理やり春の気分にしています。
このスーツは、前々回に紹介しているウール&リネン素材のダブルブレスト・スーツに続き、私が今シーズン選んだ2着目で、春夏シーズンの中で夏は汗で消耗が激しい為に今回は2着とも盛夏用を加えようと思っていたときに、珍しいシルク100%のシアサッカーにタイミングよく出会って作ることしたもので、暑がりで異常な汗かきの私が苦手にしている真夏でも手荷物を持たない主義なので物入れとしても必需品の上着は着れるか分かりませんが、寒さの厳しい現時点での構想では、キチンとタイドアップの「正統派スタイル」のイメージが湧いています。
この素材は、イタリア・ゼニアグループの「ノバーラ」社のもので、通常よく使われているコットン100%やコットン&ポリエステル素材ではなくシルク100%のギンガムチェック柄で、190gの軽さとシアサッカーならではの清涼感は、盛夏シーズンになると異常な汗かきでダラシナクなる私には最適な素材ではないでしょうか。
「シアサッカー」は、元々は光沢のあるシルク素材で作られたものであり、そのオリジナルは19世紀の末、当時イギリスの植民地であったインドのカルカッタで、英人用の夏服として織られたものに端を発するといわれ、やがて、1934~5年頃、この服地の流行に目をつけたアメリカの素材メーカーが、さっそくシルクをコットンに置き換えた実用的・経済的シアサッカー地の大量生産に乗り出したといわれていて、日本では「三星毛糸」社が昔から扱っているのに輸入物では見かけなかった中で、「Ermenegildo Zegna」(エルメネジルド ゼニア)社創業100周年記念絡みで今シーズンに新登場をさせたのか分かりませんが、私みたいに今シーズン作ろうと思っている方にはおすすめの素材です。
モデルは、いつもの「CRCS」(カラチェニ)を使い、盛夏用を意識してアンコン(肩パット&裏地ナシ)仕様にして、3ツ釦暖返り、胸はパッチで腰をパッチ&フラップポケットのセンターベントで、シアサッカー素材とギンガムチェック柄の雰囲気に合わせて白蝶貝を付けて7丱好謄奪舛鯑?「アイビースタイル」を意識したディテールにして、スラックスは1プリーツにしています。
今回のコーディネイトは、オックスフォードのボタンダウンシャツに、トリコロールカラーを意識したストライプのレップタイを締めて、3回連続で白いポケットチーフを挿して、靴は2004年の6月にロンドンの「Ralph Lauren」で購入した、ホワイトスエードにレッドラバーソールのプレーントウです。
真夏になったら、白い麻のボタンダウンシャツに、冷房の効いている店内ではストライプの蝶タイか無地のニットタイを締めて、たまにはグレーのトロピカルや白い麻のパンツにジャケットだけ使い、逆にギンガムチェックのパンツだけ使ってポロシャツを合わせるなど、セパレートでの着こなしも楽しめる、「大人のカジュアルスタイル」には欠かせない夏の1着ではないでしょうか。
私の都合も含めて3回連続盛夏用の紹介になってしまいましたので、次回からは季節に合わせて春物のおすすめ素材を紹介できればと思っています。