チョークストライプのスリーピース | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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「2010年秋冬商品」第1回目の紹介です。

今年の東京地区の梅雨は、雨が一日中シトシト降るタイプではなく、ザッと降っては日差しが出たりと変わりやすいのが特徴で、降水量は平年より少ないみたいですが、今週始めに東京北部にもゲリラ豪雨の被害にあうなど、まだまだ続きそうな蒸し暑い梅雨の最中、これから始まる夏本番に向けての盛夏物ジャケットやパンツの補充をする方がいる中で、気分だけは冬に向かって、素材の種類が豊富な秋冬物の提案をちょっと早めにスタートします。
(なぜか3年連続で同じ7月の2週目に紹介しているのですが、早まる気分は毎年一緒ということですね。)

今回のチョークストライプのスリーピース・スーツは、私自身が今シーズンの1着として選んだもので、一昨年に「グレーフランネル」を作った時からの計画通り、昨年が「グレンチェック」で今年は「チョークストライプ」と着実に冬服の定番を増やしていますが、昨年12月からスタートした「白井さん」ならではのハイレベルな着こなしに感心させられながら毎回楽しく見させていただいている「ひと日記」さんの「白井さんの着こなし」http://blog.goo.ne.jp/hito0815/e/374e065500d53cd89c6d00dbd64544ab?fm=rss)ブログの影響をかなり強く受けながら、まだまだ作りたいものが増え続けているのが現状です。

この素材は、イタリア最大の毛織物産地ビエッラを代表する、糸から生地までを一貫生産している服地メーカー「DORGO」(ドラゴ)社の、カシミアに勝るとも劣らぬしなやかな感触が特徴のスーパー180‘s(14.5ミクロン)の糸を使ったのもで、私がこの素材を使う一番の決め手になった風合いと配色に加えストライプの幅が25mmとちょっと広めでダブルブレストモデルに相性の良い柄です。

紡毛の素材に白墨(チョーク)で線を引いたようなカスレ具合が特徴で、最もポピュラーなトラディショナルパターンを代表するチョークストライプ柄は、現在ではなかなか出会えない素材の一つと前にも書きましたが、ダブルブレストに相性の良い20mm以上の幅を探すと殆んど皆無に近い状態で、今回も継続の生地ブックを見返しながら1社しか扱っていないストライプにしようと思っていたら、タイミングよくこの生地に出会いました。

本来なら、昨年まで3年連続でしつこくおすすめしている、イギリス製生地メーカー「Martin sons」(マーティンソンズ)の目付けのしっかりとした400/430gの本格的なフランネル素材を使おうと思っていたのですが、色が無かったのと私自身の持っているものが重たい素材が多くなってきたこともあり、今回はあえて310gの見た目には軽く見えないちょっと贅沢な素材にしました。

モデルは、私の体型に一番合っている「CRCS」を使い、大き目で湾曲した襟が特徴のダブルブレストで、6ツ釦2ツ掛け、ストライプの幅広の雰囲気からスラッシュポケットのノーベントして、「白井さん流」にウエストコートを加え、スラックスはサスペンダー釦付きのスタンダードな2プリーツで、最近、出来上がる度にレベルが増してより立体的になってきているハンドメイド仕様ならではの、スラックスも共に片返しハンドステッチにしました。

コーディネイトは、何回も使用しているラウンドカラーのクレリックシャツに、始めは私の好きな紺×白2色のストライプのネクタイを締めようと思ったのですが、何時もと同じなので今回はクラシックな気分で25年前に「信濃屋」で購入したアメリカ製ユーズドのプリントの蝶タイにして、ポケットチーフはパイピング付きの麻素材をスクエアに挿して、靴はクラシックなムードに合わせ前回紹介したオリジナルの傑作「Uチップ+ウイング飾り」を合わせ、ソフト帽を被れば洋服が一番魅力的に見えた憧れの1930年代のアメリカが蘇りますね。


まだ、2010年秋冬の新着生地は揃っていませんが、残りわずかになってきたヴィンテージ梳毛カシミアのチェック柄を含め店頭に置いてあるお値打価格の秋冬商品は動き始め、また、「白井さんの着こなしブログ」の影響を受けキャメルヘア素材の予約をとりながら新作のポロコートモデルを加える予定ですので、乞うご期待下さい。