キャメルヘアのポロコート | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、前回予告した「白井さんの着こなし」ブログに刺激され、久し振りに真冬のローテーションに加えたキャメルヘア素材のポロコートを着ての登場です。

今日の朝は暖かく日中はジメジメしてきそうですが、昨年末より太平洋側では記録的なカラカラの天気が続き寒冬傾向に変わったみたいな陽気で、朝晩は厳しい寒さが続いていて通勤時に見渡してもコート着用のスタイルが多くなってきている中で、ちゃんとしたオーバーコートを着ている人が少ないのは相変わらずですが、弊店で一押しのローデンやアルスタータイプのオーバーコートはまず見かけませんね。

このポロコートは、今は無き「信濃屋銀座店」がオープンした20年前の冬に買ったもので、イタリア製「Zegna Soft」の軽めのキャメルヘア素材を使ったアルスターコートで、1980年代に信濃屋で扱っている洋服メーカー約10社の中で品質の順位が1番の「ブリオーニ」社から数えて8番目と言っていた「エルメネジルド ゼニア」社のスーツ類をやめてカジュアル中心の展開に移行している時の商品で、冬でも比較的暖かい気候の東京では使い勝手の良い軽めの素材だった為、“誰かにあげちゃった”と言っていた「白井さん」が買われた茶色のダブルブレストのチェスタータイプと2型をスポットで仕入れたものです。

当時、日本の輸入代理店に聞いたところ欧米では評判が良かったモデルだったそうですが、不思議と日本では「信濃屋」が仕入れたサイズ違いの4点だけだったみたいです。

前にも書きましたが、「ゼニア」に限らず「信濃屋」で扱っていた商品は、メーカーやブランドが同じであってもセレクトする素材や柄も違うし、モデルやディテールに変化をつけるなど、「白井さん」ならではの飛び抜けたセンスで注文した一流の商品は、他店には絶対に真似の出来ない、今ではお目にかかれない「こだわりの名品」と言えるのではないかと思い返していますが、近年のモノと情報が溢れている時代が逆に欠点となって、本当の意味でのホンモノが少なくなっているようで寂しい限りです。

実を言うと購入してから今まであまり活用していなかった理由は、不恰好な私に合わせて最初に着丈詰め調整をしているのにもかかわらずまだ長く感じながら階段で何回も引っかかったことや、私の住んでいる横浜の山奥のバス停に立っている時に、あまりにも目立ちすぎて家族の顰蹙を買って、10年ぐらいはお休みさせていましたが、昨年暮れからの「白井さん」の素晴らしいオーバーコートコレクションを魅せつけられたのをきっかけに、気持ちを引き締め3種類のオーバーコートで手抜きをしない真冬の着こなしを実践できればと思っています。

今回のコーディネイトは、前々回の「白井さんの着こなし」を意識して防寒の為に綺麗なグリーンのカシミアのマフラーを巻きましたが、本来の「白井さん流」なら2007年の年始めに紹介した(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/26194420.html)ペーズリー柄の大判シルクマフラーにコルク色のペッカリーの手袋がベストな合わせ方で、スーツは真冬用ローテーションのグレーフランネルのスリーピースにガンクラブチェックのウールタイを締めて、靴は最近では一番のお気に入りになっている弊店オリジナルのスエード・フルブローグです。

下の写真は同時に仲良く同じキャメルヘアを着てきた弊社オーナーの写真ですが、私のものとはレベルが違うホンモノで、2007年1月に紹介している(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/27289153.html)イタリア製「saintandrews」のポロコートで、私と違って沢山持っているオーバーコートコレクションの中で本格的な厳しい寒さになると出番が多くなる目方のある素材で、最近購入した暖かさバツグンでお気に入りの綺麗な色のカシミアニットマフラーを巻き、ジャケットは贅沢なカシミア100%のホームスパンを使ったハンドメイド仕様を着て、靴はこれも高価な信濃屋別注「シルヴァノ ラッタンジ」のベンティベーニァ&トリプルステッチのスエードチャッカーブーツです。

ポロコートと言えばキャメルヘア素材なのに弊店「TENJINYAMA」オリジナルでなぜか1度も作っていない理由は、今回紹介したように自分達が既に持っている為にサンプルとして作れなかったことと、生地見本の種類が少ない中で納得する価格設定が出来なかった為だったのですが、来シーズンは早めに生地をまとめて仕入れ、また、ハンドメイド仕様にてお値打ち価格に挑戦したいと思っていますので、ホンモノを目指したい方は夏が来る前にご予約し、皆で「白井さん流」に少しでも近づきませんか。