ストライプのスリーピース | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、「2008年春夏商品」第1回目の紹介です。

本格的に寒い冬の真っ只中ですが、そろそろ春物の提案をさせていただきます。

夏物は近年のクールビズの影響もあり、6月ぐらいから洋服を着なくなっている人が多くなりつつあるので、今年は特に秋口にも着用できる春物素材を早めに促進をしていきたいと思っています。

それにしても今年の冬はお正月が明けてからの、ここ2~3週間は本当に寒いですね。
暑がりで寒がりの私は、この寒さに耐え切れず、ウールのネクタイを締めて、厚手のフランネルかツイード素材を着る毎日が続いています。

当然、オーバーコートにカシミアのマフラーとペッカリーの手袋は欠かせないアイテムになっています。(暖房がきいた電車の中でも外していません)

こういう寒さが続いていると、単純ですから今シーズンにもっと厚手の素材で多く作っておけば良かったと後悔をしているところです。

最近よく感じていることですが、四季に合わせて3ヶ月ずつ4つのシーズンに分けて着る物を揃えるのが一番理想だと、自分自身で納得しているところですが、まだ一般では真夏以外は同じような薄手の素材で通す人が多いようですね。

もし、少しでも洋服に興味があり、作業着ではなくファッションとして考えるのであれば、お金と収納スペースが許す限り、色々な素材を試すことをおすすめします。

私の場合、1週間に同じ洋服を着ないようにすると6着ですから、合計24着が必要になり、それも全て納得したものを揃えるとなると、大変、時間とお金が掛かることになりますが、その過程を楽しみながら進めていくことが、30年以上もこの業界と付き合っていけているのだと思っています。

そういう方が増えてくれば、弊社みたいな商売は、今後、もっと期待が持てるようになるでしょうね。

本題に戻りまして、
今回のスリーピースは、何回か紹介している「CRCS」(カラチェーニ)の肩幅やアームホールがやや広めのナチュラルショルダーのモデルを使用して、シングル3ツ釦段返り、ピークドラペル、スラッシュポケット、ノーベントと、ハッキリとしたストライプに合わせてシックにまとめてみました。

春先と秋口に着ることを考えてベストを加え、パンツはスタンダードに2プリーツにして、当然、Vスリットを入れてサスペンダー釦付きです。

3ツ釦のピークドラペルは、洋服の完成度が一番高かった1930年代に流行ったモデルの一つで、襟のムードを変えるだけでもエレガントさが増します。

上着の雰囲気作りに欠かせない最も重要な部分のラペル(襟)は、ノッチドラペルに比べダブルブレストと共にシングルのピークドラペルの形状が一番難しく、ゴージラインの位置と衿幅、全体の曲線や剣先の丸さなどの微妙なバランスが全体の柔らかさを増します。

また、弊社の得意とする技術の一つで、ゴージ部分(上襟とラペルのつなぎ部分)は手間のかかる縫い割りし、ハンド縫いで処理していますので、よりシャープに仕上がっています。

イタリア製生地メーカー「FINTES」(フィンテス)のちょっと贅沢なSUPER 150‘sのサージ素材で、250gの春から初夏にかけて丁度いいウエイトで、白のストライプがハッキリしているのが気に入って選びました。

今回、私の着用でサンプル作製する為に、昨年の春物ブルーのシャークスキンを作ってから後に、来春は紺×白のストライプにしようと思い、最近軽量になってきた冬素材も含めて探してみると、紺ベースにライトグレーか他の色が入っているものが多く、以外と単純な紺×白が少ないのに気づきました。

別にスーパー150の生地でなくても良かったのですが、この白の幅でハッキリしたストライプが他に無かったからと、私の歳も半世紀を越えた記念に、そろそろちょっと贅沢な素材を着てみてもいいかなあと思った次第です

細番手の素材は、強度の問題で頻繁には着れませんが、先程、言ったようにシーズンごとに着数を揃えて、適度に休ませ、、気持ちを注いで手入れをしていけば、10年は愛着をもって付き合っていけるのではないでしょうか。

コーディネイトは、クラシックにラウンドカラーのホワイトシャツかクレリックシャツを着て、ハッキリとした紺×白グレンチェック柄のジャカードタイを締め、白い麻のポケットチーフを胸に挿して、靴はダークブラウンのキャップトウですね。

これから2月始めにかけて新着の素材も徐々に揃いますので、3月から着用できる春物の準備をしませんか。

それでは、次回の春物商品紹介をお楽しみに…。