セントアンドリュースのポロコート | 天神山メンズスタイル

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京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は「saintandrews」(イタリア製)
キャメルヘアのポロコートの紹介です。

このコートは、弊社オーナーが信濃屋で10年前に買ったもので、
昨年10月に秋冬商品で紹介した弊社オリジナルポロコートの
見本として使いました。
本来、ポロコートと言えばキャメルヘアで見本を作りたかったのですが
このコートがあったので、あえてライトグレーでオリジナル見本を
作った次第です。

ポロコートの紹介は前にしていますので、今回は、私の好きな
ハンドメイドメーカー「セントアンドリュース」について紹介します。
1960年代後半にイタリア、アドリア海のビーチリゾートとして
人気が高いファーノで創業した工場です。
なぜスコットランドの地名なのか確認したところ、オーナーが
良き時代の英国にあこがれて工場名にしたと聞きました。
現在はCantareli(カンタレリ)の傘下になっています。

信濃屋では25年程前より扱っているメーカーで、最初の頃は
「ダンヒル」の製品も作っていて、何年か継続してネイビーブレザーだけ
発注していましたが、途中でGRITTI(ZEGNA)に工場が
変わり価格が25万円が16万円に下がって品質が落ちた為、
扱うのを止めました。
信濃屋で買うお客様は殆んどの人がダンヒルの「d」マークの釦が嫌で
普通のナット釦に取り替えていたのを今でも覚えています。
ダンヒルのネーム分(5万円)はセントアンドリュースの工場直より
高かったと思います。

1986年にイタリア PITTI UOMO での仕入の時に始めて
「LUCIANO BARBERA」が使っているメーカーだと知り、
バルベラモデルを内緒で使わせてもらい、その後も信濃屋では
イタリアのメーカーとしては一番長い付き合いをしています。
バルベラの商品は70年代後半はSIDAと言う工場を使い、
その後Kitonからsaintandrewsに変え、
2000年ぐらいからAttolini(SARTORIO)と
全て信濃屋にいた時に見てきましたが、一番コレクションが
良かったのがセントアンドリュースの時代でした。
また、セントアンドリュースもバルベラと付き合い共に
良くなった時だったかもしれません。

工場にも何回かは行きましたが、今は亡きオーナー
「Dario Zaffagni」(ダリオ ザファーニー)の
きちんとした真面目な人柄が表れた工場でした。
現役の時は、毎年の展示会でオーナーみずからオーダーシートを
丁寧に書き、細かい質問に対して優しくに答えてくれました。
あるとき、日本の梅雨時期の湿気の多い時期に店頭に並んでいる
洋服がピリング(衿のステッチの所がたるんで波うつ)してしまう
と言う、ハンドメイド商品はなり易い現象の上着をイタリアに
持って行き説明しようとしたところ、イタリアに着いたとたん
乾燥していてピリングが直ってしまい、悔しい思いをしながら
ダリオに説明したら、日本の湿気の多い気候にはBARBERAや
ZEGNAの細番手の生地は不向きで、Loropianaの
生地がなりにくいと、優しく説明してくれたことが、
今でも忘れられません。
イタリアは、時間にルーズでいい加減なメーカーが多い中で、
納期や品質がしっかり維持できている数少ない工場の一つです。

今年は暖冬と言われ、まだ東京には雪が降っていませんが、
朝晩は寒くオーバーコートが2月末までは活躍します。
今の時期からコートのオーダーだと着る時期が短い為、
来年は早い時期から、このキャメルヘアやカシミヤ素材を
使ったサンプルを作り、たくさんの人にポロコートを
アピールしていきたいと思っています。

これで冬物最後の紹介です、春夏及び小物の紹介をご期待下さい。