カラチェーニのジャケット | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、弊社のお客様が裏地の補修で持ち込まれたジャケットが、
驚くほど綺麗な状態を維持されていた為、思わず紹介したくなりました。

1978年にローマのカラチェーニで仕立てたもので、知り合いより
譲り受けたらしく、作った人はイタリア人のお洒落な人だったそうです。
生地は打ち込みのあるギャバジンで、3ツボタン、ノーベント、
スラッシュポケットのスタンダードなモデルで片返し仕様になっています。
今、日本で流行っている衿幅が細めや高いゴージラインと違って、
流行に左右されないとてもいいバランスです。
なぜか、前回春夏商品で紹介した弊社CRCSモデルにバランスがとても似ています。
(カラチェーニモデルですからあたりまえですね)

ローマ・カラチェーニは、イタリア仕立職の父と言われる、
天才「DOMENICO CARACENI」(ドメニコ・カラチェーニ)
によって、1913年に創設した場所です。
今では、ミラノのA.CARACENIのほうが有名になっていて、
私も白井さんのお供で10年以上前に何回か店に行きました。

ドメニコ・カラチェーニは、弊社HPでも紹介していますが、
今のイタリアン・クラシカルテーラリング(フラットテイラリング)を
創始開発した人で、それまでのロンドン・テイラー達の表地に硬い芯地を
沿わせることにより立体性を確保した技法に比べ、よりソフトに身体に
ピッタリ順応する技法を編み出し、始めて男のスーツを立体的で美しく
身体の曲線をなぞりながら、限りなくソフトに、限りなく軽く作られる
道を拓かれました。
そして、ヨーロッパの皇太子や30~50’Sに活躍した映画俳優、
洒落者では有名なジャンニ・アニエッリやルチアーノ・バルベラが
顧客に名を連ねるという世界を代表するテイラーです。

作ってから30年近くなるのに、この表情は凄いですね。
逆に生地と縫製は現在のものよりいいかもしれません。
弊社もこのジャケットのように長く愛着をもって着てもらえる
物づくりを目指していきたいと思っています。
しかし、長く着られてしまうと商売にはなりませんね。

また、こういう名品にめぐりあえる事を期待して次回をお楽しみに・・・