結論をいいますと、世界はこれから100年かけて現在の資本経済から、「信用経済」へと向かってゆきます。それは、「個人の信用がお金のかわりになるという世界」です。イメージしやすい話をしますと、例えば、画家のピカソは、画材や絵の具を買うときに、小切手を使っていました。
ピカソは有名人でしたので、ピカソのサインが書かれた小切手を画材屋はお金に換金しないため、ピカソは実際には代金を払わずに済んでいたのです。「ピカソは有名人である」という、世間の「信用」によって、「自分のサインがお金がわり」になっていたのです。
ですから、一言でいえば、これから世界は、「信用がすべての世界」へと向かってゆくのです。その兆候として、例えば、アイウェア企業の「オンデーズ」が、ツイッターやフェイスブックなど、SNSのフォロワーの数が1500人以上の「インフルエンサー」なら採用を優遇すると発表しました。このような、現実世界ではなく、ネットの世界の中でも、「信用」があれば、〝 自身の利益 ″ へとつながるのです。
このような兆候から流れが始まり、「モノを時間でやりとりする資本経済」から、「モノを信用でやりとりする経済」、「コトを時間でやりとりする経済」、「コトを信用でやりとりする経済」というプロセスで、世界は変化してゆくのです。
したがって、「信用」がお金の代わりになる時代が到来したら、前述のピカソのエピソードのように、その人物が、どれほど社会的に「信用」があるかで、モノも手に入り、コトも済ませられるという世界が実現するのです。これは、言ってみれば、「完全なる実力(信用)社会」ということです。
そこには、もはや、お金に価値はありません。必要なもの、価値あるものは、その人間の社会的な「信用」のみです。ですから、その人間の「信用」が1万円レベルであれば、取り引きできるモノやコトは、1万円が限度であり、その人間の「信用」が100億円レベルであれば、取り引きできるモノやコトも、100億円クラスで可能になるのです。
ただいま、世界は、このような方向へ向かい始めているのです。「信用」の話は、これからも記事に交えてゆきたいと思います。新しい1万円札の顔になる渋沢栄一翁が、「人生で一番だいじなことは『信用』である」と説いているのは、これから来る、「信用経済」の時代を示唆しているようにも思えます。この先100年のキーワード、ファクターは、「信用」なのであるということを、どうか、知っていただきたいと思います。
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