伸一の行くところ、弘教拡大の渦が巻き起こった | くにゆきのブログ

くにゆきのブログ

今、自分が感動したこと、また知っていただきたいことを、主に記していこうと思います。

     (『人間革命』第10巻より編集)

           94

         〈跳躍〉 27

 

 山本伸一は、まだ未入会である人びとに向かって、胸を張って言った。

 

 「今夜の会合を契機として、皆さんも絶対に幸福になっていただきたい。幸せには勇気が必要です

 

 この真心を込めての一言に、ある人はすぐ応答した。

 「やらしてもらいますわ」

 

 質問が次々と続くうちに、一人また一人と入会を希望し、ほとんどの人たちが入会を決意した。

 

 伸一の行くところ、弘教拡大の渦が巻き起こった。

 

 彼は、時に大胆であり、意気の上がらぬ多人数の座談会を見ると、黒田節を舞って人びとを元気づけたり、少人数でひっそりしている座談会では、勤行をし、一人ひとりに、懇切を究めた細心の指導をするのだった。

 

 また、郊外の周辺都市に足を延ばしたこともある。彼にとっても、初めての土地であった。

 

 彼は、その途上、車の中にあって、小声で題目を唱え続けていた。まるで、広大な未踏の原野に挑戦するような、人知れぬ奮闘であった。

 

 ・・・ 。

 

 果たして、地区あげての戦いは、八十人を超える友人の参加となり、対話を重ねるうちに、その全員が入会を希望して終わった。

 

 弘教の歓喜は、会員はもちろん、参加者全員をつつみ、皆が感動の涙で手を取り合ったのである。

 

 だが、一部の会員の中には、もともと仕事が不調であったせいもあるが、仕事で努力するよりも、活動さえ励んでいれば、生活も楽になるかのように錯覚している人もいた

 

 道理に合わない、生活の基盤を全く無視した行き方である。

 

 伸一は、そうした人を見かけると、その誤った姿勢を突き、叱咤した。