制作年：２０１０年～２０１４年
制作国：日本
剛力彩芽と水島ヒロでドラマ化されたこともある作品。ちょっと気になっていたのですが、アニメ版がHuluに配信されていたので３期まで視聴。なかなか面白かったです。しかしこれは実写向きではないような・・・
☆あらすじ☆
イギリスの名門貴族、ファントムハイブ家の当主シエルは、若干１２歳にして表向きは有名なおもちゃ会社の経営者、裏ではイギリス女王の密命を受けて働く「女王の犬」としての職務を果たしていた。そんなシエルの傍らには、セバスチャンという名前の万能な執事がいつも控えていた。
お勧め ★★★★☆
最初は「必殺仕事人」みたいなことをイギリス王室の命令の下、頭の切れる貴族の子供と優秀な執事が、黒魔術的な方法で達成していくようなお話かと思ってました。厳密には違うけど、当たらずとも遠からずなのですが、小さな事件の根底に流れるメインストーリーがなかなか重厚で、容赦のないバッドエンドへ進んでいく潔さがなかなかでした。
以下、ネタバレを含みます。
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第一期、全２４話で一応の完結にたどり着いた本作品。最初はこれで終わりだと思っていたので、あまりにあっさりとした厳しめのエンディングに物足りなさと潔さを感じました。
代々イギリス王室の依頼を受けて秘密裡に様々な事件を調査、解決してきた貴族、ファントムハイブ家の子息、シエルは、ある時何者かに屋敷を焼かれ、両親を殺害され、自らも連れ去られて監禁、虐待を受けていました。その際出会った悪魔、セバスチャンと契約し、監禁場所から脱出、屋敷へ戻りファントムハイブ家としての役割を引き受けたシエル。セバスチャンとの契約の内容は、ファントムハイブ家を襲った犯人たちを明らかにし、復讐することと引き換えに、セバスチャンに自分の魂を差し出すというものでした。
セバスチャンは悪魔ながら、シエルとの契約に忠実に行動していたため、あまりあくどいことはしていなかったのですが、事件の黒幕であった天使のえげつなさは実に対照的でした。どちらが悪魔なんだか。こういう流れを見ていると、天使が堕ちて悪魔となり、悪魔だったセバスチャンは人間界で毒気を抜かれて人間になってしまう、というエンディングを予想していたのですが、そんなに甘くなかったです。
事件の黒幕が明らかとなり、仇も討ってセバスチャンとの契約終了を迎えたシエル。セバスチャンは約束通り、シエルの魂を食らっておしまい。この事件でシエルに縁のあった人々もほぼ全滅。すごいバッドエンドだな、と思っていたら２期があるじゃないですか。ここからどうやって続けるのかと思ったら、別の主人公が登場している模様。セバスチャンが新しい契約を結んだ話が始まるのかと思ったら、すぐにシエルはじめ初期のメンバーたちが続々登場。しばらくの間、何がどうなっているのかわからず、もしかして死後の世界でも描いているのかと思いました。
そんな混乱をよそに、いつも通りのお仕事をこなしていく過程で、徐々に１期終了後のいきさつが示されていく２期の構成もなかなか面白かったです。そして再び清々しいほどのバッドエンドへ。セバスチャンが人間になる、という私の予想とは真逆の、シエルが悪魔になるというエンディングはなんだか斬新でした。
シエルが悪魔になってしまったため、魂を食べることができなくなったセバスチャン。おまけに契約は更新・継続してしまったため、セバスチャンは悪魔シエルの永遠のしもべとして仕え続けることとなってしまいました。なんというタダ働き。気の毒・・・黒執事の黒は、ブラックな仕事という意味もあったのですね。
さて、人間の縁者たちに死亡通知を出して、セバスチャンとシエルは「人間にも悪魔にも平等な場所」へ向かったとのことですが、それはどこなのでしょう。死後の世界しかないような気がしますが、どうなんでしょうね。
３期は時系列が続いていないようで、２期のどこかに入る長編の物語のようでした。基本ダークファンタジーなのに、笑える場面が多かった印象です。ストーリーもまずまず面白く、前作ではっきり描かれていなかったシエルの過去も少し描かれていて見ごたえもあったのですが、結構レベルの高い変態的なお話で、子供や一般に向けた作品とは言い難いかと思います。でもそれで敬遠するのはちょっともったいない面白さもある作品でした。
Huluで視聴可能なのはここまでですが、４期があるようですね。配信されたら続きも見たいと思います。