家を出るとき、「雨降りそうだから、傘を持ってったら?」と家族が言う。
「大丈夫だよ」荷物の増えるのが嫌さに、根拠のない確信を持って君はそのまま出かけ、周りにビニール傘を売ってるような店も見当たらない場所で土砂降りの雨に遭う。
思い切ってマンションを買おうと思う。夫は年収〇〇〇万円、妻は〇〇〇万円。二人で働いたら、「なんだ、25年ローンで普通に買えるじゃん」。一方で、日本の離婚率は約35%、3組に1組が離婚する。複数の抵当権付き、離婚訴訟絡み不動産争奪戦の複雑さは言語を絶するが、私たちが別れるわけないよ(笑)と、ここでも根拠のない確信が顔を出す。
つまり、オプティミストたらんと欲すれば、人はこの「根拠のない確信」を使いこなせるようになる必要がある。統計学、確率論、推測、推定、想像力 --- こういうものは全て楽しく愉快な生活の邪魔者である。
幸も不幸も、起きるときは起きる。どうせ人間の一生、大した違いはないのだから、余計な心配や取り越し苦労など脇に置いて、毎日楽しく生きようよ。楽しんだ者勝ちだよ~〈笑)。
ふむ・・・。
馬鹿かこいつは、と思わないではないが、それも一理。
但し、これはなかなか習得するのが難しいウェイ・オブ・ライフだ。ある種の才能や素質を必要とする。
想像力の徹底的な欠如と、快楽感情一本やりの没我的情熱。
(2024.02.08)