COVID-19が、来月5月からほぼインフル扱いになるという。
思えば長い3年だった。
この空白の3年が社会や人々に与えた影響を詳しく記録・検証するには、数冊分の書籍が必要になるだろう。それは、社会学者の仕事だ。
私はと言えば、2021年12月26日にこんな記事を書いている。
この時点で、それまでの1年を次のように回想している。
諸氏は覚えておられるだろうか?
そもそもの発端となった、あのクルーズ船とその後の大騒動を?
覚えておられるだろうか?実に色々な「専門家」が入れ替わり立ち代わりテレビに登場して、様々な仮説や推測を並べ立て、いつの間にか消えていったことを?
コロナにはあれが効く、これが効くという怪しげな諸説紛々の「報告」を?
破綻した保健所システムのことを?
病院で実際に行われていた命の選別 (トリアージ)のことを?
「自宅放置」で、意識も朦朧としたまま死んでいった少なからぬ人達を?
「俺はコロナだぞ!」 と叫んで、人に唾を吐きつける犯罪者がたくさん出没したことを?
薬局やスーパーでの、マスクや消毒剤の奪い合いを?
アベノマスクを?
諸氏は覚えておられるだろうか?
初期にあったメディアによる感染者探し、犯人捜しを?
それに呼応した感染者への非難、圧迫、村八分を?
東京在住の娘や息子に対し、世間の目が怖いから正月も帰省するなと告げた親の言葉を?
「他県ナンバー狩り」 で車が傷つけられたことを?
ワクチン接種の順番を巡る争いを?
マスクをしろと言って逆切れ暴行され、半身不随になった事件を?
今、自分で読み返してみると、既にもう忘れていた事件が幾つもある。
忘れられないような苦い事件も、また幾つもある。我々の社会の幾つかの瑕疵を、極小のウィルスが暴いてしまったと言える。
それでも、私も含め、世間は忘れようとする。いや、もう殆ど忘れかけている。
忘れたいからだ。
(2023. 04. 28)