容疑者Xの献身 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の

石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため

完全犯罪を企てる。だか皮肉にも、石神のかつての親友である

物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

                     ー裏表紙よりー

 

 再再読です。もうあまりにも有名過ぎる作品なので今更とい

う気がしないでもないですが、やっぱり面白いものは何度読ん

でも面白い。

 石神の靖子への愛情はなんて言ったらよいのやら。想いを遂

げたいというのでもないし何やら複雑。芸能人に恋する気持ち

のようなものかなと思ったりもしましたが、それもちと違う。

 それにしても今回読んで思ったのは靖子って相当悪な女。ま

あ魔性の女なんでしょうね。こんな女からしたら石神なんてち

ょろいもんなんでしょうね。

 今回は靖子に対してのアレルギーがひどかった、私は。娘の

美里も巻き込まれ可哀想に思ってしまう。靖子に対して反感を

感じるのは結局男に守ってもらわないと生きられないような生

き方をしているから。

 石神に盾になってもらいながら、工藤という男に気持ちがい

っているというのが私にしてはなんだかもうという感じでした。

 ただ最後になんとか靖子が良心を取り戻してくれたようでそ

こはホッとしました。

 けど、私は石神に言いたい。あんな靖子のような女の犠牲に

なることはないと。自己満足の純愛でしかないよと。

 こんなこと言ったらこの本のファンに怒られるかもしれない

けど私は純愛とは思いたくないなあ。

 靖子のせいでせっかくの数学の研究も不意にしてしまった。

石神の失ったものは大きいと思う。

 もちろんストーリーは好きですよ、はい。★★★