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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

柏木聖輔は高校時代に父を亡くし、

大学生で母を亡くします。

東京で大学に通っていた聖輔は大学を中退し、

砂町銀座商店街の惣菜屋でアルバイトとして勤め始めます。

2019年の本屋大賞の2位の作品だそうです。

聖輔は兄弟もいないため、ある意味ほんとに天涯孤独に

なってしまいました。

しかし、この本を読んでつくづく思ったのは

「一人」と「孤独」は全然違うということです。

聖輔は確かに「一人」であるのですが、

孤独ではないと思います。

惣菜屋の店主や同僚はほんとにいい人たちですし、

鳥取時代の高校の同級生の女子に再会できたり、

大学時代のバンド仲間もみんないい人たちです。

いい人ばっかり出てくると物語としてはつまらないものに

なりますが、嫌な奴も当然出てきます。

親戚の基志や高校の同級生の元カレなどは

典型的な嫌な奴です。

親戚の基志は聖輔の苦労を知っているのに、

たかりのようなことをやり、

元カレは完全に上から目線で聖輔を見ています。

人間の善と悪が登場人物から様々に漏れ出てきます。

いろんな「ひと」がいるのがこの世の当たり前。

それを楽しむぐらいでないと世の中渡っていけないのかな。★★★