火車 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

再読です。

「火車」は私にとって一番好きな小説といっても

いいのではないかと思っています。

それほど読んだ時の衝撃は大きかったのです。

今回何十年かぶりに読んでもやはり面白く

2日で読みました。

とにかくストーリーの流れ方が秀逸で

それからどうなるんだろう、それで、それでと

思ううちにどんどん読まされていきます。

本間の息子の智と智を取り巻く井坂夫妻のシーンには

ホッとさせられるものがあります。

このあたりが宮部さんの上手いのと優しいところだと思います。

一方、事件は悲惨でやりきれない思いがつきまといます。

ただ、世の中の状況は変化していて

この火車が書かれた頃はバブルのあとだっということもあり

贅沢でクレジットカード破産という理由だったのでしょうが、

最近はむしろ本当に生活苦で破産する人が

増えているのではないかというのが実感です。

この小説の中の新城喬子と関根彰子は家庭的に

恵まれなかったことを引きずってしまったこと。

これは今の時代も考えなければならない課題なのでは

ないかと思います。★★★