再読です。
「火車」は私にとって一番好きな小説といっても
いいのではないかと思っています。
それほど読んだ時の衝撃は大きかったのです。
今回何十年かぶりに読んでもやはり面白く
2日で読みました。
とにかくストーリーの流れ方が秀逸で
それからどうなるんだろう、それで、それでと
思ううちにどんどん読まされていきます。
本間の息子の智と智を取り巻く井坂夫妻のシーンには
ホッとさせられるものがあります。
このあたりが宮部さんの上手いのと優しいところだと思います。
一方、事件は悲惨でやりきれない思いがつきまといます。
ただ、世の中の状況は変化していて
この火車が書かれた頃はバブルのあとだっということもあり
贅沢でクレジットカード破産という理由だったのでしょうが、
最近はむしろ本当に生活苦で破産する人が
増えているのではないかというのが実感です。
この小説の中の新城喬子と関根彰子は家庭的に
恵まれなかったことを引きずってしまったこと。
これは今の時代も考えなければならない課題なのでは
ないかと思います。★★★