片桐酒店の副業 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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片桐酒店の副業 (角川文庫)/KADOKAWA/角川書店

¥734
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今回ご紹介するのは
「片桐酒店の副業」
徳永圭著
角川文庫です★★




地方の片桐酒店は本業の傍ら、副業として宅配を
やっています。
二代目店主の片桐章は毎日黒いスーツを着て
働いています。
何故、酒屋なのに黒いスーツで仕事をしているのか?
これも謎なのですが、依頼もアイドルに差し入れをや、
子どもが母親に工作物を届けてほしい、
上司に悪意を送りたいなど、とてつもない依頼ばかり。
このように物話は連作短編のように進んでいきます。
丁寧に書かれているし、優しい雰囲気を含んだ小説。
ただ、章が何故黒いスーツを常に着ているのかや
ラストの子どものときに預かった手紙を20歳になったら
自分に届けてほしいという依頼の話は、
迫力に欠けていたような気がしました。
黒いスーツの謎も確かに章にとってはショックな過去かも
しれませんが、
このくらいのことなら乗り越えられるのではないかと
単純に思ったり。
謎を楽しみながら、まったりした気分を味わいたいのなら
楽しめる小説だと思います。
私は酒屋の店番のフサエさんが好きでした。
話としては上司に悪意を送りたいが面白かったかな。
なんだか身につまされるような話で。