ナオミとカナコ | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
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ナオミとカナコ/幻冬舎

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今回ご紹介するのは
「ナオミとカナコ」
奥田英朗著
幻冬舎刊です★★★




直美はデパートの外商部に勤めるアラサー女子。
加奈子は直美の大学時代の同級生で
銀行員の夫を持つ主婦。
加奈子が夫からDVを受けていることを知った直美は
加奈子と共に加奈子の夫を葬る計画を考え始めます。
直美の父もDVだったため、直美は加奈子の苦悩に
同情します。
読み始めはアラサー女子の友情物語?
それもこんな深い話だとは思っていませんでした。
しかし、段々直美にも加奈子にも感情移入していき、
当然肯定される話ではないのですが、
2人の悪事が暴かれないように‥と思いながら
読んでました。
でも、現実問題として計画はずさんだし、
どうかんがえてもムリがあるよねと思わざるを得ませんでした。
と、言っても奥田さんはそのあたりのことは
当然織り込み済みだったと思うのですが。
加奈子の夫が銀行員だったことも幸い(災い)したのかも
しれません。
銀行は何より体面を重んじるでしょうから。
殺人計画は穴だらけなんですが、
話の流れは上手いなあと思うところ満載でした。
中国人の女社長の存在や外商の裕福な客の実態など、
多分そうなんだろうな~と思いながら、
話に引き込まれていきました。
でも、やっぱり友人がDVを受けていたとしても、
殺人へという気持ちにはとてもなれないだろうな
とも思いましたね。
相手の人生を葬ることより
自分の幸せを考えることが大事でしょ。
ハラハラドキドキしながらラストまで楽しめました。