人質の朗読会 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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人質の朗読会/小川 洋子

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今回ご紹介するのは
「人質の朗読会」
小川洋子著
中央公論新社刊です★★★




地球の裏側のある小さな村で起こった
反政府のゲリラ事件。
8人の人質はダイナマイトにより
爆死した。
2年後犯人グループを盗聴するため録音された
テープが公開された。
そのテープには8人の人質が自ら書いた話を
朗読する声が残っていた。




8人の人質の話がそれぞれ短編のように
なっています。
8人全員が日本人ですが、年齢も性別も
もちろん立場もすべて違います。
語っている話も子どもの頃の話もあれば、
大人になってからの話もありますが、
特にすごい事件を語ってるわけでもありません。
普通にあり得る日常のほんの少しの出来事。
小川さんはこういう物語がほんとに上手いなあ
と思います。
私が一番好きだったのは6話目の「槍投げの青年」。
ある中年女性が満員電車の中で見かけた
「槍」を持った青年に興味を持ち後をつける
というお話です。
このシチュエーションというより、
私が興味を持ったというか共感したのは、
この女性の境遇です。
詳しくはここには書きませんが、
なんだか自分とダブルというか
(別に境遇がすごく似てるとかではありませんが)、
この女性の寂しさとか悲しさがよく理解できて
しまったというか。
なんだかねこの女性の考えとか意識とかそういうものに
すごく自分が入り込んでしまったんですね。
普段はそういうものに蓋をしてしまってる自分なのに、
この物語の中では素直になれました。



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