21面相の暗号 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

21面相の暗号 (宝島社文庫)/伽古屋 圭市

¥690
Amazon.co.jp




今回ご紹介するのは
「21面相の暗号」
伽古屋圭市著
宝島社文庫です★★★






山岸卓郎とシエナはある出来事から
1500万円の偽札を掴まされた。
その偽札には本物とほとんど代わらないものが
26枚含まれていた。
その26枚の偽札からある暗号を読み取った2人は
ある事件に巻き込まれ‥。




タイトルからお気づきの方もいらっしゃるかも
知れませんが、この本20数年前に起こった
「グリコ・森永事件」が下地にあります。
「グリコ・森永事件」は結局時効を迎え、
犯人は捕まらず、謎のまま終わっています。
犯人はもとより動機、表向き犯人は現金を受け取れなかった
ことになっていますが、
実際裏取引があったのではないかなど、
いろんな推測がなされています。
本書はこの巧妙な偽札を作った人物が「グリコ・森永事件」に
ついて語ります。
しかしここでも結局真相は藪の中です。
この人物は初め自分が「キツネ目の男」にそっくりだったことから
冤罪を受け何もかも失くしたという述懐をします。
が、実は自分たちが犯人で‥と、話は続きます。
あくまで本書はフィクションですからこの話は作り話ですが、
こう書かれてみるとひょっとしてこのあたりが真実だったのでは
ないかと想像が膨らみます。
話はこの「グリコ・森永事件」にそっくりな事件が起こり
展開します。
ある製菓会社に青酸入りのお菓子が届き5000万円をよこせという
要求が届きます。
この脅迫により動き出す警察と製菓会社。
そして製菓会社の中でもこの事件を利用しようとする動きが‥。
この警察が振り回されるシチュエーションも
「グリコ・森永事件」とそっくりです。
この作品山岸とシエナを中心に書かれていますが、
2人とも世間的に言えば真っ当な人間ではありません。
この製菓会社を脅迫した人間には同情すべき動機がありますが、
だからと言ってこういう行為が許されるわけではありません。
でも山岸やシエナ、この製菓会社を脅迫した人間が
悪党だとも思えませんでした。
ちょっと懐かしさを覚えながら読んだ作品(不謹慎ですが)。




にほんブログ村 <br />本ブログ 読書日記へ


にほんブログ村
  クリックお願いします。
   いつもありがとうございます♪