翳りゆく夏 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

翳りゆく夏 (講談社文庫)/赤井 三尋

¥730
Amazon.co.jp




今回ご紹介するのは
「翳りゆく夏」
赤井三尋著
講談社文庫です☆☆☆




2003年の江戸川乱歩賞受賞作の本書。
大手新聞社の東西新聞に
20年前の誘拐事件の犯人の娘が内定した
ということが週刊誌にスクープされます。
その娘・朝倉比呂子が大変優秀だということもあり、
東西新聞はなんとか比呂子を傷つけず、
入社させたいと考えます。
一方、東西新聞の窓際社員の梶は、
社長の杉野の命を受け、この誘拐事件を
再度調査することになります。
比呂子の父はこの事件を起こした後、
事故で死亡。
結局誘拐した乳児も発見されないまま、
事件は終結しています。
しかし、梶が調べを進めていくうちに、
謎が浮かびあがりと、話は展開していきます。

いやあ、面白かった。
なんで今まで知らなかったんだろうというくらい。
新聞社の人間の立場もよくわかるし、
この誘拐事件を追い詰めていくあたりの
話も面白い。
あんまり書くと、ネタバレになるから書けませんが、
出だしからストーリーに入り込めますし、
途中からはこの誘拐事件の真実は何なのかと
いうことに焦点が絞られていき、
それに興味がそそられます。
後半おおよその事件の全体像が見えて、
これで終わりだと思った途端、
また新たな真実が!
この真実が全く想像がつかず、
度肝を抜かれました。
人物描写も巧みだし、事件の作り方も不自然さが
なかったように思いますし、文章も読みやすい。

考えてみれば「江戸川乱歩賞」を受賞した作家って
わりと人気が出る人が多いのかな?
東野圭吾さんもそうだし、池井戸潤さんも。
確か高野和明さんもそうだったはず?

ともかく堪能できた1冊でした。




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


にほんブログ村
  いつもありがとうございます♪