シャイロックの子供たち | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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シャイロックの子供たち (文春文庫)/池井戸 潤

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今回ご紹介するのは
「シャイロックの子供たち」
池井戸潤著
文春文庫です☆☆☆




またまた池井戸潤さんです。
一体どこまで行くのやら~(笑)。
今回の舞台は東京第一銀行長原支店。
この支店の副支店長・古川一夫の話から
物語はスタートします。

この古川、乙採用つまり高卒という
コンプレックスがあります。
そのコンプレックスが災いして、
部下に嫌味とも言えるぐらいの
発破をかけ、部下とひと悶着を起こします。
とにかく大卒には負けたくない。
支店長になって大卒を顎で使いたい。
ものすごい執念です。

この古川を筆頭に長原支店に働く人間たちを
描いた小説です。
銀行で見せる顔と、家庭で見せる顔。
それぞれの仕事に対する思いと、
家族に対する思い。
池井戸さんの小説を読む度に思うのは、
銀行というのはやはり男社会で、
銀行員の妻は家庭を守り社宅で暮らす。
それが当たり前の世界。
家族を守りたいという気持ちから
出世したいと願う男の願望がよく
表れています。

今作品の特徴的なのは、
主人公が定まっておらず、
その意味ではこれまで私が読んだ
池井戸作品のように、これぞ正義の味方と
いう人物も見当たらず。
でもこの手法も上手いなあと感じました。

最終話の「晴子の夏」では
ホロリときましたが、
実は一筋縄ではいかないのが池井戸作品。
私の涙を返せ~と言いたくなりましたよ。
ラストは驚きの結末!




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